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うちはマックだからステーキ屋はあっちだぜ?

「ゾーニング」についてのとある対話2 性器描写は「性描写」ではない?

はじめに

前回からさほど日にちも経っていないというのに、またしても吹流しの恋(@magoi_overhead)氏から引用RTをいただき、またしても長い長い対話が始まってしまいました。議題はやはり「ゾーニング」。

前回と同じぐらい長くて、前回以上に話が迷走している不毛な対話です。概要を簡単にまとめることさえ困難なほどの混沌となっています(タイトルはあくまで印象に残った部分に過ぎません)

ともあれ、とりあえず記録用としてツイートは一通りまとめておきます。


ツイート





























「ゾーニング」についてのとある対話

経緯と整理 175条は存在しない?

先日、マンガの「ゾーニング」について思いついたことを軽く呟いたところ、吹流しの恋(@magoi_overhead)氏から引用RTをいただきました。

そこから対話が始まったのですが、これが思いがけず長い……非っっっっっっっ常に長ぁぁぁぁぁぁぁぁいものとなってしまいました。せっかくなのでここに一通りまとめておきます。



あまりにも無駄に長大ですし話があっちこっちに飛ぶので、恐らく全ツイを通して読む人はほとんどいないでしょう。ですからまず、議論の内容を簡単に整理しておきます。

わたしも完全に理解しているとは言えませんが、吹流しの恋氏の主張の根本は、



現在、日本で刑法175条(わいせつ物頒布等罪)に基づいて行われている表現規制は、違憲であり不当なものである。

そのため、175条は存在しないものとして扱うべきであり、これに従ってコンテンツにモザイクや黒塗りなどの修正を行っている企業・作家は全て、(建前上ではなく)完全な自由意志による自主規制を自ら選択しているのだ。

同様に、あらゆる自主規制は全て自由な選択によるものであり、その責任は企業・作家自身が負うべきものである。



といったところにあるようです。

わたし自身、175条は一日も早く改正もしくは撤廃されるべき悪法だとは思っていますが、ここまでラディカルな考え方はさすがに初めて見ました。

ツイートでも書きましたが、理念として175条が不当で存在すべきではないということと、現実に175条に基づいて逮捕等が行われていることは切り分けて考えるべきででしょう。175条に抵触しないようモザイクをかけることを純粋な「自由意志」と見なすのは、無理があると思います。逆に、他人(クリエイター)に自由意志を認めていないようにすら見えますね。

とはいうものの、表現規制に反対していても175条は所与の条件として扱っている人も多いなか、ここまで原理主義的に全否定する姿にある種の頼もしさを感じたのも事実です。

吹流し氏のような人物が2000人ぐらいいれば、175条もあっという間に廃止できるのかもしれませんね。

では、ツイートをご覧ください。



実際のツイート
































水星の魔女12話(一期最終回)に見る、死者を透明化する匠の技

水星の魔女一期最終回とスレミオ血まみれファンアート

ガンダムシリーズTVアニメ最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の一期最終12話が先週放送された。

グエルとヴィムのジェターク親子の再会や、改修されたガンダムエアリアルの大活躍など見どころはたくさんあったが、最も強い印象を残したのはやはりCパートのラストシーンだろう。

numagasablog.com

母プロスペラによって、ほとんど洗脳にも等しい「指導」を受けたスレッタは、ミオリネを助けるために、なんとエアリアルを使って兵士を殺害してしまう。潰れたトマトのように、舞い散る血と肉片。だがスレッタはそんな凄惨な光景に怯むどころか、ニコニコ笑いながらミオリネに血染めの手を差し出す。常軌を逸したスレッタのふるまいと、目の前で人が無残に殺された衝撃に打ちのめされたミオリネは、「なんで…笑ってるの?人殺し。」とスレッタに告げる。

血にまみれたガンダムとスレッタの手。無邪気なスレッタと絶望的なミオリネのあまりに対照的な表情。1話ラストを反復する跪くガンダムのラストカット。そして何より、二人の関係はこれからどうなっちゃうの~~~~???というところで一期の幕を下ろす絶妙なクリフハンガー

これらのインパクトが混然となった結果、放送直後から阿鼻叫喚の大反響となり、今回の内容を反映したスレッタとミオリネのカップリング二次創作イラスト、いわゆる「スレミオ血まみれファンアート」も無数に量産されている。いやあ眼福眼福。


透明化される死者

ここで感心するのは、スレッタが(初めて)殺した相手が「(現時点では)顔も名前もない存在」に設定されていることだ。

エアリアルの右手でペシャンコに叩き潰されたテロリストは、反スペーシアン組織「フォルドの夜明け」のメンバーではあるのだろうが、作中で本人の名前が明かされることはない。

また、他のモブテロリスト達同様に宇宙服で全身を包んでおり、その顔はマジックミラー的なヘルメットで見えなくなっている。

登場時に「見つけた……デリング・レンブラン!地球に帰れなくても、お前とはここで刺し違える!」と、モブにしてはやや長めのセリフを喋っているものの、さすがに人物像を推し量れるほどの内容ではない。

そして、「フォルドの夜明け」はテロ組織とはいえ、現時点ではスレミオの2人にとって「憎むべき敵」ですらなく、良くも悪くもどうでもいい存在である。スレッタの行動も、デリング(と同行しているミオリネ)が殺されるのを防いだ正当防衛・緊急避難に近いものであり、現実でならともかくアニメにおいてはまあわりとセーフ寄りの殺人だろう。実際、ミオリネがあそこまで顔を引きつらせて「人殺し」などというセリフを吐いていなければ、視聴者の多くは、あ、今回のファーストキルはこんな感じなのね?フーン……程度の反応で流していたのではないだろうか。


(その意味ではミオリネの「人殺し」が過剰反応すぎるという意見も分かる。本質的にどうでもいいはずの死に対して敢えて大げさに糾弾してみせるのは、いわゆる「安全に痛い自己反省パフォーマンス」に近い手法かもしれない。

https://numagasablog.com/entry/2023/01/12/180715

ミオリネにしても別人のように様子がおかしいスレッタに、いくら動揺してるからといって、開口一番「人殺し」なんて言うかな…?


ここで描かれているのは、誰でもない、誰でもよい人間の死だ。いわば、死者が徹底的に匿名化、透明化されているのだ。

ショッキングな出来事としての死を描写しつつ、キャラクター(一個の人格)の消失という側面はほぼ完ぺきに捨象することによって、このイベントは純粋にスレッタとミオリネ(あとはせいぜいスレッタの母プロスペラぐらいか)の間の感情的な問題に集約されることになる。それはスレミオ血まみれファンアート的な関係性消費を後押しこそすれ、邪魔になることはほぼないだろう。むしろ、作品自体がそれを公認・推奨しているとすら言える。

仮にスレッタが殺したのが、敵であれ仲間であれ名前のある、視聴者がその固有性をある程度理解しているようなキャラクターだったら、その血が誰のものかという部分を否応なく意識させられることになるせいで、恐らく今ほど無邪気な消費のされ方(バズ)にはなっていなかったと思われる。そういう世間の空気を正確に読み切ってほどほどのラインを突いてきた制作サイドのバランス感覚というか嗅覚の鋭さには、感動を通り越して畏怖の念すら抱いてしまう。


(最終回には批判的な上記ブログにおいても、その矛先はあくまで、スレミオに殺人の業を背負わせたことのみに向けられており、この点に関してはまんまと作り手の術中にはまっているように見える(「スレミオしか語らん」というタイトルなので一貫はしているが)

https://numagasablog.com/entry/2023/01/12/180715

しかしそうした「力への批評」をする上で、そのツケを(まるで残酷ショーのように)最も過酷な形で払わされるのが、本当にスレッタとミオリネであるべきだったのだろうか。「相対化」の矛先が向けられるべきは、本当に彼女たちの振る舞いだったのだろうか。


「誰でもない死者」の血が、女女の関係を彩る呪わしくも美しいアクセサリとして描かれた達者なイラストの数々をヘラヘラと眺めながら、これが現代の最先端アニメというものなんだなとボンヤリ思う。*1



おわりに

機動戦士ガンダム 水星の魔女』。

繊細さと無痛症が奇妙に併存するこの現代に非常にうまく適応したガンダムとして、2期の動向も見守っていきたい。

個人的には2期では、この時スレッタは「誰」を殺したのか?という展開があると嬉しいのだが……


*1:余談だが、「死体を埋める二人の女」がサブジャンルというかミーム化されていることから、百合というジャンル自体にもともと他者を巻き込みその存在(命)を踏み台として消費しがちな傾向があるのかもしれない(言わずもがなだが、若干の議論があるものの一般的に水星の魔女は百合であるとされている)

さあ、「ズブゲーム」の時間だ。

インタビュー2つ=「ズブ」

先日、こんな記事が話題になりました。

現在はタイトルが変更されていますが、元タイトルは統一教会系メディアとVtuberがズブな件」という衝撃的なものです。しかし、実際に読んでみるとその根拠はほぼ、たった2つのVtuberインタビューしかありませんでした。


そこで「ねこます」「のらきゃっと」「Vtuber」「バーチャルYoutuber」などの単語で検索していただければ分かりますが、このviewpointの"個人Vtubeを推すようになり"という行為は2018年ののらきゃっと氏へのインタビュー以降めっきり姿を見せません。そもそも個人Vtuberへのインタビュー行為自体がのらきゃっと氏とねこます氏にそれぞれ一回ずつしかありません。

統一教会との関係が疑われている寸借詐欺と仲が良いVtuberがいるという話もあったようですが(現在削除済み)、少なくとも「統一教会系メディア」と直接繋がるものではないでしょう。)

そして、にわかに信じがたいことにこの記事がはてなブックマークの一部では大絶賛されることに。

この人たちにとっては、たった2つのインタビューでも間違いなく「ズブ」の証拠である、ということらしいです。

同時多発的に同じ話題について書かれたこのはてなブログでも、「ズブ」への疑念を一切示すことなくほぼ全面的に肯定する形で紹介・リンクされていますね。


なお、下書きをしている最中に、先行して公開された「FAQちゃん (@faqfaqyou)」氏のnote記事で、Vtuber業界のトラブルなどもふくめて詳細に指摘された。カルト宗教や反社会的組織とのつながり自体は旧来の芸能界にも見られる問題ではあるが。

後に、取り上げられたVtuberの一人(インタビューを受けたのとは別人)の抗議を受けたことにより、本文の一部が削除されタイトルも改められましたが、「ズブ」に関わる部分はそのまま残っています。恐らく、肯定的にコメントしたブクマカ達の認識も、この点についてはさほど変化していないことでしょう。


わたし自身は正直、Vtuber統一教会や寸借詐欺じたいにはさほど関心がないのですが、この一連の流れには激しく動揺させられました。

たった2つのインタビューを根拠にVtuber(業界)が危険なカルトと「ズブ」であると断言することが許されるのだとしたら、自分自身や自分の好きなものにもそれぐらいの瑕疵(とも言えないような小さな隙)はきっとあるだろうと思ったからです。というより、この基準では完全に潔白と言える人の方がむしろごく少数ではないでしょうか。

もし仮に、この「ルール」が社会全体に適用された場合、市民の誰もが誰に対しても「ズブ」の指摘が可能となります。そこでは我々が取るべき行動は、たった一つしかありません。

それは、敵対者に先んじて、より多く、より強力な(=社会的ダメージの大きい)「ズブ」を相手に背負わせることです。

わたしはこの状態を「ズブゲーム」と名付けることにしました。


「ズブゲーム」の例

『JKハルは異世界で娼婦になった』という小説があります。

タイトルを見れば分かるように、いわゆる「なろう異世界転生もの」の一つですが、珍しく男性ではなくギャルな女子高生が主人公であり、実は「なろう異世界転生もの」叩きの風潮に無条件に乗っかってジャンルとその読者を全否定することを最大の目的とする、一種のヘイト創作と呼ぶべき内容となっています。

試しに、この作品にズブゲームを仕掛けてみることにしましょう。

まずはこちら。

【シミルボン】もしかしてアンチ異世界転生?――ジャンルを揺さぶる「普通の女子高生」 | 牧眞司( JKハルは異世界で娼婦になった | 平鳥 コウ )

ぼくが『JKハルは異世界で娼婦になった』を読んで感心したのは、短い期間に一大ジャンルとなったラノベ系「異世界転生もの」の流れに棹さしながら、このジャンルを相対化する視点があるからだ。いわゆるジャンルの“お約束”を熟知しつつ、それを逆手に取っている。
 いってみれば、これは「アンチ異世界転生もの」なのだ。

書籍版発売直後の書評であり、『JKハル』をひたすら褒めちぎっています。いわゆる提灯記事ですね。執筆者は、書評家の牧眞司氏。

さて、牧眞司氏といえば、ネットの一部ではこの発言でよく知られる方でもあります。

ご覧の通り、特定ジャンルとその読者に対する、見事なまでのヘイトスピーチです。額に入れて飾りたいぐらい。

これはつまり、「なろうヘイト小説と百合ヘイト書評家がズブだった件」ということです。

しかし、まあ、書評家で(おそらく)なろう経験もなさそうな人が、ムーンライト出の女性向けポルノを、その辺の一般イキリオタクでもないのに、「アンチ異世界転生」とかいって喜んでいるのは、フィクションを消費しているだけで別に害があるわけでもない(そうか?)のだが、端からは「いったいなにを見ているのか」という気がしますね。


次。『JKハル』は現代のなろう異世界転生らしく、コミカライズもされています。

小説の出版元は早川書房ですが、漫画版は新潮社のBUNCH COMICSとなっています。

さて、新潮社といえば日本中の誰もが思い出すのがこのニュース。


LGBTをめぐる寄稿や企画で批判を受け、休刊した月刊誌「新潮45」について、新潮社が発行する文芸誌「新潮」は6日に発売した11月号の「編集後記」で、「認識不足としか言いようのない差別的表現」があったとするおわびを掲載した。

新潮社から刊行されていた雑誌で、保守政治家による差別的な主張が掲載されたという問題です。

これは、新潮社=ガチ差別出版社と言わざるを得ないでしょう(わたし自身は、なろうヘイトも百合ヘイトも共に「ガチ差別」だと考えていますが)

要するに、「なろうヘイト小説とガチ差別出版社がズブだった件」とまとめることができます。


また、『JKハル』の作者である平鳥コウ氏は、『ハル』以前に別名義で男性向けポルノ小説も書いていました。

人妻人形日記 - 小説家になろう

僕が好きになった女性は、隣に住む奥さんだった。
叶うはずのない恋。そして子供時代に芽生えた密やかな人形愛。二つの歪んだ欲望はある日、偶然たどり着いたサイトで一つに絡み合う。
"E=mC^2"
それは催眠・マインドコントロール専門の小説サイトだった。

世間で広く知られているように、男性向けポルノはしばしば性犯罪を引き起こす原因となります。

上で挙げたXPJbox=平鳥コウ氏の「人妻人形日記」のブクマ数は、3954件。総PVは1465285。これだけの人々に閲覧されていれば、その中には作品に触発されて、隣家の人妻につい催眠術をかけて肉人形にしてしまった読者も、恐らく500人はいるのではないでしょうか。

即ち、「なろうヘイト小説と性犯罪者がズブだった件」


ということで、ズブズブズブの計3ズブ。あくまで例とはいえ、なかなか良い手を指せたと自負しております。


「ズブゲーム」なんて怖くない?

21世紀最高の批評家である宇野常寛氏はかつて、我々の生きるゼロ年代以降の現代社会は「戦わなければ生き残れない」「サヴァイヴ系」のモードに支配されていると喝破しました。

ご本人もその実践のように高校時代のイジメ加害経験を自慢気に語っており、説得力は抜群です。

男子校で女子居なかったし、受験勉強も嫌だったのでそういうことにしか頭を使わないわけです。集団を維持するためライトな村八分を指揮したり、適度な外敵を設定したりしていました。

(もっともその後、仕事で芸人に「イジられた」だけのことをイジメだ!とまるで弱者のように騒ぎ出したのは、一体どうしたのかな……と心配になってしまいます。サヴァイブ系的な論理で言えば、やられたら徹底的にやり返して叩き潰せばいいだけでは?)

我々は全員が一人残らず既に「プレイヤー」である。この認識に立てば、自分がいま強く恐怖を感じているこの「ズブゲーム」にしても、結局のところサヴァイブ社会に敵を殺すためのサブルールが一つ追加されたに過ぎないのかもしれませんね。

えっ?バカバカしい?法治国家・文明社会に生きる人間なら闘争以外のコミュニケーションを選べるはず?

そうですか。残念ではありますが、信じてもらえないのであれば仕方がありません。

ですが、くれぐれもお気をつけください。

「ズブゲーム」は、もう始まっているのですから……

やはり「盗用」から頑なに目をそらす「ミステリと言う勿れ」擁護者

「ミステリと言う勿れ」擁護者 id:hokke-ookami氏のコメントへの回答

ドラマ化も決定している大人気マンガ、田村由美「ミステリと言う勿れ」がとあるツイッター小説を「盗用」したと思しき件について、なぜか「盗用」を認めようとしない奇妙な反応を見せる「勿れ」読者たちに対し、問題点を細かく噛み砕いて説明するエントリを書きました。

前回のこのエントリに、「ミステリと言う勿れ」読者であるらしい、 id:hokke-ookami 氏からのコメントが付きました。

長くて複数の論点が含まれているので、ひと息に引用することはせず一つずつ返答していきます。

まず、意図がどうであれ、貴方は過去に他人と論争したブログエントリを全て消していますね。他人へ応答責任を求められても、逆に貴方が誠実な対応をするとは信頼しづらいです。

「他人へ応答責任を求められても」とは何の話ですか。そちらを含めて、「ミステリと言う勿れ」擁護ブコメを付けたり擁護記事を書いたりしたアカウントのid一覧を載せたことでしょうか。idコールは送られたでしょうが、それらのアカウントに「応答」を要求する要素は、元記事に特に含まれていなかったはずです。もし「誠実な対応をするとは信頼しづらい」のであれば、こちらの記事にコメントを付けるような積極的なコンタクトを無理になさらなくてもけっこうです。

また、idコール自体が「応答責任を求め」るものなのだとしたら、それを最初に行なったのは、後述する id:hokke-ookami 氏の記事の方ということになります。

はてなブログは1アカウントで3つのブログを無料で利用できますから、もう少し違うブログの運営ができるのではありませんか?

自分のブログの運営方針をとやかく言われる筋合いはありません。今は、「エントリごとに内容に合ったブログタイトルに変更する」というやり方を試しています。

来月末に3周年イベントがあるので、その時には対魔忍RPGブログに戻すと思います。

このエントリに引用されている私のエントリのコメント欄から、すでに貴方へ回答した2回のコメント部分を転載します。
どちらもIDコールで通知がいっているはずですし、ひとつは貴方がエントリを書くより前に、もうひとつは貴方がエントリへIDコールを記載する前に書きこみました。
貴方はこれらの回答を読めているはずです。それでこのエントリを書いたのであれば貴方の態度が不誠実きわまりないと思わざるをえません。
それでは、まず貴方が自身への問いに対して、「速やかな反省および撤回」もしくは「覚悟」を決めることができますか?

id:hokke-ookami 氏からのidコールは、最近では氏の記事(「『ミステリと言う勿れ』のそもそも正確性を担保していない発言に、正確性がないと批判するのは奇妙 - 法華狼の日記」)が最初に書かれた際の一度しか届いていません。







はてなの仕様が具体的にどうなっているのか知りませんが恐らく、コメント内からはidコールを送れないか、既に対象アカウントへのidコールが含まれているエントリに同一アカウントへのコールを追記したり間隔が近すぎたりすると、改めてidコールが送られることはないのではないでしょうか。あるいは、元々のコール通知が上書きされたが前に見たのと同じコールだと思って気づかなかったか。

また、もし仮にidコールを目にしていたとしても、それに反応する義務があるとする規範が一般的とは思えません。実際、前回のわたしの記事によるidコールに反応した「ミステリと言う勿れ」擁護論者の方はごくわずかでしたし、それで何の問題もないでしょう。直接的に相手との対話を望むのであれば、ツイッターを使う方が適切では(それでもリプライやDMを無視したりミュート・ブロックしたりする自由も普通にあるでしょうが)

いずれにしても、 id:hokke-ookami 氏のそれらのコメントはいま初めて読みました。

ネットでちらっと見たと書かれた台詞から、ツイッターの創作小説と作者が認識していたと断言できますか?

もし仮に、「ミステリと言う勿れ」の当該シーンを描く際に、元ネタが小説=「作者の存在する明確なフィクション」であるという認識が無かったとして、故意から過失にはなるでしょうが、責任が作者にあるのは変わらないでしょう。「盗用」の問題は依然として存在するはずです。

一般的に、都市伝説とされるものにも、フィクションと思われる元ネタが存在する場合があります。大江健三郎『死者の奢り』が、死体を洗うアルバイトの元ネタという説などが有名ですね。
そうして情報源が不明確な記憶にもとづいて貴方がツイートした時、その情報源がフィクションだった場合、情報源が他にあると最初から明言していても貴方は自分が盗用したと思いますか?
あいまいな記憶で何かを主張した問題と、盗用したという問題は違うのではありませんか?

今回のケースでは、自分の作品(マンガ)の中で他人の作品(ツイノベ)の内容を、元ネタのフィニッシングストロークがそのままフィニッシングストロークとして機能するほどに、ほぼ頭から尻尾まで流用していることこそが「盗用」と呼ばれています。果たしてこれを、小説の内容(の一部)を元にした都市伝説をツイートする行為と同一視できるのでしょうか。ツイノベ以外の一般ツイートも「作品」として扱うべきという立場であれば、その見方も成立するのかもしれません。

そもそも、元のツイッター小説の内容を、現実の「実験」や、あるいは逆に詠み人知らずのフリー素材的な小噺であると誤認させるような形での流用が、「ミステリと言う勿れ」以前に(どれほど)存在したのかが今のところ特に確認されていない以上、その方向性での擁護は意味が無いと思われます。どうしてもその論点で擁護したいのであれば、まずは最低限「勿れ」以前の流用の具体例を発見してからにするべきでしょう。

あらかじめ釘を刺しておきますが、当時の状況が確認ができてないから擁護に意味が無いとするなら盗用批判も無効だ、といった話は通りません。大元は作者のはっきりした小説作品であるという事実の方は既にほぼ確定している以上、そこは非対称です。

「元が明確にフィクション」という認識は確定していないと上記のように考えます。

繰り返しますが、作者の認識は責任を多少軽減こそすれ本質的には関係ありません。元のツイッター小説には「twnovel」タグがしっかり付いていたのだし、これは「知らなかった」では済まされない種類の問題だと思います。

たとえば、ホームページか何かを作るとします。ネットで拾ったフリー素材のみを使って仕上げたつもりが、実はその中にフリー宣言をしていない写真が混じっていたことが後で判明したとしたらどうでしょう。それでも、知らずにやったことなのだから何の問題もないと堂々と言うべきでしょうか。

また、id:hokke-ookami 氏はエントリ「『ミステリと言う勿れ』のそもそも正確性を担保していない発言に、正確性がないと批判するのは奇妙 - 法華狼の日記」において、フォローしていないアカウントのツイートをRTする場合でも、当該ツイートと直接の関係が無い過去ツイートの内容にも責任を持つべきだ、といったような主張を、わたしへのidコールを付けた上で行っています。

そうして騒動は収束しているようだと思っていたら、「まつうら姫@lyricalium」氏らの新しい批判をid:srpglove氏がリツイートしているのが目に止まった。

もっとも、下記のように「慰安婦問題、フェミニズムの負の側面が生んだもの」という認識*2を公言する人物なので、『テコンダー朴』との相対評価に驚きはない。

それにしても、「まつうら姫@lyricalium」氏の批判のいくつかをsrpglove氏が無批判にリツイートしていることが奇妙だ。

もちろん、ひとつふたつのリツイートやフォローが対象の人物全体を許容しているとはかぎらない*4。
しかし、情報源の明確ではない情報をフィクションの登場人物に語らせることを批判したいならば、こうしたリツイートを現実におこなう時の慎重さも必要だろう。

これはあくまで「盗用」批判への皮肉として言い出したことに過ぎないのかもしれませんが、

「商業誌で展開しているマンガ作品において他者の作品内容全体を無断で流用すべきでない」

と、

「当該ツイートの内容と直接関係がないRT先の過去ツイの内容にも責任を持つべき」

では、明らかに後者の方が遥かに過大な要求であり、釣り合いが取れていません。

(ある興味深い情報の大体の出処を確認するにはネット検索だけでも大抵はどうにかなるし、確認できなかった情報は作品に使わなければ済む。一方、RTのたびにRT先アカウントの全発言を把握するのはどう考えても非現実的)

どっちもどっちに持ち込んで、「ミステリと言う勿れ」側のクリエイターとしての責任をうやむやにしようとしたのかもしれませんが、やはり無理があります。

(ついでに言うと、RT先の過去ツイにも責任を取らなければいけないという極めて厳しい基準を仮に導入した場合、現在進行系の社会問題に積極的にコミットするような層の方がよっぽど困るんじゃないかな、という気もします。なんとなく)

その上で、「前にネットでチラッと見た記事で、だから詳細はわからないんですが」と断った文章を見て、信頼性を担保した文章だと思いますか?
貴方は自身の同種の断り書きをしているツイートも、一次資料などに直接あたったツイートと同じように信頼されるべきだと思いますか?
念のため、情報源が明確でないがゆえに過誤があった時の責任を自身で背負わなければならない場合などはあります。しかし、やはり違う問題ですよ。

「前にネットでチラッと見た記事で、だから詳細はわからないんですが」で情報の信頼性の低さを断っていると言えるのは、たとえば東スポやねとらぼやカラパイアといった、ソースが怪しげだとしても少なくとも「『事実について語っている』という体」を取っているメディアの記事を参照したような場合でしょう。元が、フィクションであることを明示したツイッター小説のストーリーそのものである今回のケースには当てはまりませんし、不十分です。




id:srpgloveさんへ
https://twitter.com/srpglove/status/1428409915626774535
>もしかして、世の中ではツイッター小説など小説ではないという認識が一般的なのか。

わざわざ都市伝説の元ネタになった事例として『死者の奢り』をあげているコメントに対してその返答ならば、貴方の読解力を根本的に疑いますよ。
逆に返信を確認せずにツイートしているなら、ググる(※)までもないひと手間すらおこたったのであれば、それこそ貴方の問題であり貴方の責任ですよ。

このツイートは、ブコメツイッター検索で「ミステリと言う勿れ」擁護者たちの、こんなのぜんぜん何の問題もないといった反応を眺めていて出てきた一般論的な感想です。これをなぜ id:hokke-ookami 氏個人への返答だと思い込んだのでしょうか。繰り返しますが、この時点では氏のエントリに書き込まれたコメントは読んでいません。

「ミステリと言う勿れ」擁護という大きな謎

一連のコメントを見ると、とにかく「ミステリと言う勿れ」の「盗用」疑惑を何があろうと絶対に全面的に否認したい、否認しなければならないという意思が強く伝わってきます。これは id:hokke-ookami 氏に限らず、他の多くの「勿れ」擁護者たちも同様です。

たしかに「盗用」ではあるかもしれないが(きっと)悪意は無かったのだからそんなに強く責める必要はない、といった比較的穏当な擁護であれば、全面的に同意はできないものの一定の理解はできますが、そのような意見は稀でした。彼らはこの問題を徹底的に矮小化、というより問題の存在自体を全否定する態度を貫いています。

この不可解なほど意固地な否認の背景には、一体なにがあるのでしょうか。前記事で指摘したように、元ネタである「ツイッター小説」という色んな意味で小さな文化の(無自覚な)軽視が影響しているのは間違いありません。しかしここまで来ると、それだけでは説明がつかないような気もしてきました。

今回の件によく似た事例の一つとして、スマホアプリ「Fate/Grand Order」の剽窃問題がありました。あるキャラクターの説明文に、既存の著作からの「流用」が見つかった、というものです。

https://togetter.com/li/1501534

自分はFGOをプレイしていないのであくまで外から眺めていただけですが、この時には、FGOプレイヤーの中でも「これはさすがにダメだろう」といった声がそれなりの大きさを持っていた印象があります。そのため、プレイヤー同士でもこの件についての議論(というか衝突)がそこかしこで起こっていたように記憶しています。

結果として、FGO公式は「意図せず流用が発生した」ことを認めて謝罪し、当該テキストを修正することとなったようです。


このたび、2020年4月9日(木)より召喚に追加されましたサーヴァント、
「ディオスクロイ」のフレーバーテキストにおいて、書籍『ホメーロスの諸神讚歌』
沓掛良彦様 訳、筑摩書房様 刊行 ちくま学芸文庫)から一部流用がありましたことを確認いたしました。
フレーバーテキストについては数名の協力体制で制作を行っている工程があり、
その際の伝達漏れから意図せず流用が発生したものとなります。
該当部分に関しましては、5月13日(水) 16:30の更新で修正しましたことをご報告いたします。

FGOを含めたスマホゲームは、素朴で熱狂的な支持と同時に、愛憎入り混じった複雑な感情も育てやすいコンテンツです(※個人の感想です)。FGO剽窃に対してプレイヤー層内部で適切な自浄作用が働いたのは、スマホゲーの持つその性質による怪我の功名に過ぎないのかもしれません。

しかしそれを差し引いても、多数の読者が絶対的な擁護に傾いている(一応「盗用」を問題視している読者もいる)「ミステリと言う勿れ」の現状は、やはり不気味にすら感じられます。単純に、FGOプレイヤーの方が「ミステリと言う勿れ」読者よりも民度が高かったのだ、とでも割り切ってしまえれば楽なんでしょうが。

彼ら「ミステリと言う勿れ」擁護者を、何がここまで頑なにしているのか。その謎を解くのは、名探偵ならぬ凡人の身には難しそうです。

擁護者が目をそらす『ミステリと言う勿れ』の盗用問題と、圧殺される小文化

はてなーによる『ミステリと言う勿れ』擁護

ドラマ化も決定している大人気ミステリマンガ、田村由美『ミステリと言う勿れ』(小学館)について先日、このような問題が指摘されました。

主人公が作中で披露する「ある実験」のエピソードが、実は作者・作品と全く関係がない他人のとあるツイートの内容ほぼそのままだった、というものです。

比べてみると、誰が見ても「似ている」ことは間違いないようですね。共通の元ネタがあるならともかく、それぞれ独立に偶然この内容にたどり着く可能性は非常に低そうです。

またマンガの方についてですが、現代日本を舞台にした特に超常的な要素の無い物語作品において、このような形で有名な都市伝説などでないエピソードが紹介された場合、再現性はともかくそのような実験が現実で一度は実際に行われた、あるいは少なくとも実際に行われたと主張する者が一人は実在する、という前提で読まれるのが一般的だと思われます。

これに対し、もともと『ミステリと〜』に好意的だったらしいはてなでは、擁護意見が大勢を占めることになりました(自分自身は『ミステリと〜』については以前、無料試し読みで数巻読んだ記憶が多少ある程度です)

https://b.hatena.ne.jp/entry/4707026576348243522/comment/FM008B

「ミステリと言う勿れ」で社会心理学の実験っぽく紹介されていたエピソード、実はTwitterノベルの創作の丸パクリだったっぽい?

何が問題なの? 主人公が社会学の実験だと考えて、その場で語った挿話でしょ。ツイ主が単に因縁つけたいだけにしか思えない。

2021/08/17 20:59

「ミステリと言う勿れ」で社会心理学の実験っぽく紹介されていたエピソード、実はTwitterノベルの創作の丸パクリだったっぽい?

刃牙読んだら失神しそう

2021/08/17 22:05

「ミステリと言う勿れ」で社会心理学の実験っぽく紹介されていたエピソード、実はTwitterノベルの創作の丸パクリだったっぽい?

この漫画のこの主人公は「どっかで聞いたけどそんな物の見方あるらしいですよ?」って教えるだけでそもそも物事の真偽はどうでもいいって感じだけど。寓話と一緒ってイメージ

2021/08/17 23:46

「ミステリと言う勿れ」で社会心理学の実験っぽく紹介されていたエピソード、実はTwitterノベルの創作の丸パクリだったっぽい?

BASARAの頃から好きな作家さん。記事やブコメを見て何だか残念な気持ち。注目を浴びるといろいろ言われるのねえ…

2021/08/18 00:18

「ミステリと言う勿れ」で社会心理学の実験っぽく紹介されていたエピソード、実はTwitterノベルの創作の丸パクリだったっぽい?

いいんじゃない? 真理を語るキャラって訳でなし。MMRと同じ。問題があるなら真に受ける側では。 / Kindle版1巻見直してるけど、「フィクションだぞ」って宣言はないのかな。まあノンフィクションには見えないだろうが

2021/08/18 01:28

「ミステリと言う勿れ」で社会心理学の実験っぽく紹介されていたエピソード、実はTwitterノベルの創作の丸パクリだったっぽい?

ちょうど最近この作品読んだばかりだけどこれは特に問題がない気がするけどなあ。主人公は「どこかで聞いた話ですが」みたいな言い方をしていた記憶/3巻まで無料だった!読んでから批判して<a href="https://www.cmoa.jp/title/140206/" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://www.cmoa.jp/title/140206/</a>

2021/08/18 03:51

「ミステリと言う勿れ」で社会心理学の実験っぽく紹介されていたエピソード、実はTwitterノベルの創作の丸パクリだったっぽい?

漫画でスカートめくり等の犯罪が合法っぽく描写されていても「読者は漫画と現実の区別ぐらいつく!お気持ち批判は表現の自由の侵害」のはずなのに、漫画で真偽不明として紹介された話は社会学実験だと信じちゃうのか

2021/08/18 05:16

「ミステリと言う勿れ」で社会心理学の実験っぽく紹介されていたエピソード、実はTwitterノベルの創作の丸パクリだったっぽい?

ちゃんと作品読むとわかるけどこの主人公の言動は韜晦ばっかなんでフィクション中の事実性はもちろん現実の事実性を問うのはいくらなんでも頭悪くないですか

2021/08/18 07:44

「ミステリと言う勿れ」で社会心理学の実験っぽく紹介されていたエピソード、実はTwitterノベルの創作の丸パクリだったっぽい?

何か問題なの?

2021/08/18 08:06

「ミステリと言う勿れ」で社会心理学の実験っぽく紹介されていたエピソード、実はTwitterノベルの創作の丸パクリだったっぽい?

この漫画ミソジニー連中がこないだ読んで敵認定してたからなあ。

2021/08/18 08:32

「ミステリと言う勿れ」で社会心理学の実験っぽく紹介されていたエピソード、実はTwitterノベルの創作の丸パクリだったっぽい?

「現実とフィクションを混同する馬鹿はいない」とよく言われるがこんなにいるじゃんか!あからさまに虚構の漫画の中に「事実です」と書かれてようが、とりあえずは信じない・懐疑するのがまともな人間だろう?

2021/08/18 08:45

「ミステリと言う勿れ」で社会心理学の実験っぽく紹介されていたエピソード、実はTwitterノベルの創作の丸パクリだったっぽい?

待って。まさかコレに突っかかる人はゴールデンカムイを読んで土方歳三は爺さんになるまで生きてたとか思い込むタイプ?漫画だよ?

2021/08/18 11:36

「ミステリと言う勿れ」で社会心理学の実験っぽく紹介されていたエピソード、実はTwitterノベルの創作の丸パクリだったっぽい?

このページの前に「前にネットでチラッと見た記事で、だから詳細はわからないんですが」と前置きしていることは隠すのね。書かれてる3巻は今ならkindleで無料なので、言及する前に読みましょう

2021/08/18 14:02

「ミステリと言う勿れ」で社会心理学の実験っぽく紹介されていたエピソード、実はTwitterノベルの創作の丸パクリだったっぽい?

ポリコレアフロがそれっぽい正しさを振りかざして突き進むのを楽しむ漫画なのでその内容の是非で叩くのは意味がないかと。

2021/08/18 18:01

「ミステリと言う勿れ」で社会心理学の実験っぽく紹介されていたエピソード、実はTwitterノベルの創作の丸パクリだったっぽい?

ジョジョで映画のエピソードをパクるみたいなもんかと思うし、最後にあるように主人公が「正しいっぽいだけ」なことにも自覚的な漫画だからなあ。正論でやり込めて終わりという話ではない。

2021/08/20 09:17

はてなブックマークid:IkaMaru氏が指摘しているように、信頼性の弱さは断っているし、ツイッターが元ネタという指摘は意味がないこともわかる。

id:FM008B
id:amakanata
id:DigitalGohst
id:develtaro
id:mugimugigohan
id:vndn
id:kamm
id:femininmu
id:morimarii
id:kkobayashi
id:white_rose
id:rider250
id:cocoronia
id:IkaMaru
id:ka2tako-mk2
id:hiruneya
id:hokke-ookami

彼らの主張は見た限りおおむね、「所詮マンガなんだから固いことを言うな」「ウソを書いても別にいいだろ」といったところに集中しているようです。


擁護意見の検証

読者による『ミステリと〜』擁護は、果たしてどの程度妥当なものなのでしょうか。

元ネタと思われるツイートを改めて見てみましょう。

ツイートの末尾には、「#twnovel」タグがはっきり確認できます。twnovelタグというのは、そのツイートが「ツイッター小説」「ツイノベ」であることを示すものです。

ツイッター小説は読んで字のごとく、ツイッターで公開されている小説です。明確なルールがあるわけではなく、広義にはツイッターで連載される大長編なども含まれますが、一般的にイメージされるのは1ツイート内で完結する超ショートショート的な形式でしょう。当該ツイートもそれに当てはまるものですね。

投稿者の水木ナオ@nayotaf氏のプロフィールや過去ツイを見ても、ツイッターでの小説創作活動を継続的に行ってきたことがよく分かります。

これらの情報が何を意味するのか。つまり問題の「父親教室」に関するツイートは、特定の具体的な作者が存在する、れっきとした「小説」であり「フィクション」だということです。「記事」どころか「嘘松(=創作実話)」ですらない、最初から完全な「作品」です。

他人の作品の内容を『ミステリと言う勿れ』は無断で、作者を伏せて、事実であるかのような形で、ほぼそのまま自作に取り込んだわけです。単に内容が事実かどうかだけの問題ではないのです。これで、擁護意見の多くが的外れであることが明らかになりました。

(そもそも『〜勿れ』の実験については、マンガだから別にウソ書いてもいいじゃんという寛容な態度を取ってる人たちにも、たとえフィクションであっても恐らく黙ってられないタイプの「嘘」はそれぞれ必ずあると思いますが、それはさておき)

そして、客観的に見てこれは商業出版で仕事をするプロの創作者として誠実なやり方でしょうか。自分には、まるっきり「盗用」に思えるのですが。

(上のツイートでご本人が語っているように、ヤフーでも取り上げられたらしいので、そちらで(もちろんマンガの主人公ではなく作者が)見た可能性もありますが、さすがにニュースサイトがフィクションであることを最後まで伏せて記事にするとも思えません(記事の実物は公開期間が過ぎたのか発見できませんでした)。また、仮にうろ覚えで現実の記事だと勘違いしていたのだとしても、実際に作品に取り込む過程で情報の出処の確認を怠ったのであれば、それは当然ながら作家の自己責任となります)



「小説」ではなく「記事」として元作者の存在を抹消したことには5万歩譲って目をつぶり、細部の設定や文章表現まで完全に同一なわけではないのだからあくまで「あらすじ」を「紹介」しただけなのだ、という主張なら通るでしょうか?それも無理があると思われます。

小説の中でもショートショートは、状況設定のアイディアとオチの切れ味が命とされる(ことが多い)ジャンルです。その一般的な文字数よりさらに少ない、最大140字(twnovelタグの分を抜けばさらに少ない)というツイノベの性質を考慮するならば、仮に「あらすじ」を「紹介」するだけでもほぼイコール盗用になると言っていいでしょう。

実際『ミステリと言う勿れ』の当該シーンは、単に設定が酷似しているだけでなく、構成も含めて元作品のコンパクトな物語としての面白みを「そのまま活かす」ことを意識した表現に見えます。再構築、換骨奪胎の域にすら達していません(「父親教室」を「実験」に改変してるのは、主人公の主張の根拠としての説得力をアカデミズムの権威で補強するためでしょうか)

強者文化の無自覚な傲慢さ

元ネタは小説作品。元まとめでも触れられているはずのこの点を『ミステリと〜』読者の人々はなぜか頑なに無視して、当該作品が誰でも自由に利用できるフリー素材だったかのように振る舞っているのです。その傍若無人な態度は、かつて他者の創作物を無造作に使い捨てる非道さで恐れられていた現代アート集団「カオス*ラウンジ」すら思い起こさせます。

『ミステリと〜』読者にとっては恐らく「ツイッター小説」などというものは「小説」未満のものであり、「作品」としての保護に値しないちっぽけな存在なのでしょう。自分の大好きな作家・作品が取り上げてやっているのだからむしろ光栄に思え、といった旧時代のメディア業界人めいた意識すらあるのかもしれません。

(余談になりますが、以前わたしもプロのクリエイターに「イジられた」経験が複数回あります。彼ら作家とその支持者はそろって「イジってもらえてありがたいと思え」と言わんばかりの恩着せがましい態度で接してきたのですが、わたしはいずれの作家も別にファンではなかったので、ただただ困惑させられるばかりでした)

また、似たような事例として最近、こんな出来事もありました。

大手メーカーのゲームが、人気インディーゲームのシステムや設定に類似した新モードを実装した、というニュースです。

『Among Us』は、PC版の配信当初は同時接続プレイヤー数が一桁という時期も長かったが、その後大きな成功を掴んだ(関連記事)。各コンソール向けにも移植され、今では人気タイトルのひとつに数えられている。『フォートナイト』の「インポスターズ」は、こうした『Among Us』の人気に便乗したと、一部ゲーマーから受け止められているようだ。

『フォートナイト』を手がけるEpic Gamesが、『Among Us』を意識して「インポスターズ」を開発したのかどうかは不明だが、もし参考にしていたとしても、それ自体は責められることではないだろう。ただ、前出のTran氏がインディーとしての気持ちにも触れたのは、わずか数人のインディースタジオが手がけ、やっと成功を得ることができた作品を、大手メーカーが安易に真似する状況を残念に感じたのかもしれない。

これも『ミステリと〜』の件も、大手・プロといった強い立場にある側によって比較的弱い側の成果が一方的に収奪される問題であると言えます。たとえ作品単体としてどれだけ優れていたとしても、他作品・他作家・他文化へのリスペクトを欠いたやり口が平然とまかり通る世の中は、やはりどこか間違っているでしょう。


『ミステリと言う勿れ』および読者のこれから

上に貼ったツイートにあるように元作品の作者ご本人は、この件について「もしそれ(引用注:自作ツイノベ)が目に止まっていたのであれば嬉しい限りです」と仰っているので、『ミステリと言う勿れ』という作品に対して外野から求めることは特にありません(プロフィールに「創作物の無断転載・改変はお断り致します。 」と明記しているはずの人物のこの発言を、額面通りに受け取っていいのかは少々悩みますが)

ただ、あくまで個人的な感想として言わせてもらえれば、さすがに作者と出版社はこの問題に対して何らかのコメントぐらいは出すべきなんじゃないかな、とは思います。アマチュア知名度が低い作家、またマイナーな創作形態であれば、人気プロ作家とその支持者たちによってこうも容易に権利が踏みにじられてしまうのだろうか……と不安を感じている創作者の方々は多いはずなので、安心させる意味でも何かしらの言葉が必要ではないかと。

さらに本音の本音を言えば、連載休止や単行本の回収やドラマ放送中止に至っても全然おかしくないぐらいの不祥事だと思いますけどね。たとえば先日、1クール分以上の内容が完成していながら、衣装デザインの盗用が発覚してまるまるお蔵入りになったTVアニメもありました。

このニュースを見たときには正直、そこまでの厳しい対応を?と驚いてしまいましたが、業界がクリーンであって悪いわけはありません。このぐらいの健全さが現代の創作物で求められる基準とするなら、今回の問題で『ミステリと〜』が作品として具体的な対処を迫られるとしても、決して大げさではないでしょう。



今回の件で深く考えず『ミステリと〜』の擁護に回り問題無しとしてしまった人々については、とりあえず速やかな反省および撤回か、さもなければ「覚悟」を決めた方がいいでしょうね。結果的にであれ元ネタの作品性を否定しその当然の権利を蔑ろにするようなセカンドレイプ的コメントを残した以上は、今のところ自分自身も、自作の文章・絵・曲などを誰に好き勝手いじり回されても文句が言えない状態にあるはずですから。

いくら自分の好きなものだからといって、明らかに創作者倫理に抵触している問題について無理筋な擁護をするような、みっともない真似だけはやめましょう。自分の好きなものにも欠点は必ずあり、多くの場合それは自分自身の欠点にも通じるのだというごく当たり前の事実を受け入れるべきです。

こんな優れた作品につまらないケチを付けるな?バカを言ってはいけません。作品として優れていることは倫理的な問題を免責する理由にはなりませんし、むしろ人気作品は強い影響力に応じた大きな責任を負うべきですらあるのでは。



少なくともわたし自身は今回の件のせいで『ミステリと言う勿れ』に対して、こういう傲慢な人々に支持されている作品なのであればあまり読みたくないな……という気持ちがいっそう強まりました。わたしを含む外野のこのような悪印象を払拭できるかどうかは、『ミステリと〜』ファンの方々の、これからの努力にかかっていると言えます。

鉄水@隠者(@blue_ash_blue )=堅洲 斗支夜/Toshiya Kadas@名興文庫相談役/総帥(@kadas_blue )氏による複アカ煽り

簡単なまとめ

「本格ファンタジー」文字書きが複アカで突撃してきた。

本編

昨日の今日でほぼ同じ話から始めるのは気が引けますが、このエントリ単体でも理解できるものにしたいので、もう一度最初の最初から始めます。

以前、「本格ファンタジー」を自称するとあるなろう小説を例に、多くの文字書きがなぜか陥りがちな「自分の作風はラノベっぽくない」という思い込みについての文章を書きました。

その「本格ファンタジー」なろう小説「最後の眠り人は、魔王の城にて ~ダークスレイヤーの帰還~」の作者、堅洲(カダス)(@kadas_blue)氏とはツイッターで何度かやり取りがあり、最終的には相互ブロックという結果に終わりました。

最後の眠り人は、魔王の城にて ~ダークスレイヤーの帰還~

終わった、とこちらでは思っていたのですが、きのう突然、堅洲(@kadas_blue)氏により、また新たなコメントが書き込まれました。

https://srpglove.hatenablog.com/entry/2020/06/07/165834 

堅洲

ラノベ天狗とか言われてるわりに、小説の現状を全然理解してなくて呆れます。

あと、誰かの作品をこんな風に貶めるって普通はやっちゃいけない事ですよ?自分は良いですが、気のとても弱い人は筆を折る可能性だってあります。

そういう可能性考えてこういう事してましたか?ラノベという文化を保護したい立場の人がしていい事じゃないですよね?

最後にもう一つだけ言いますが、こんな事してる暇があるなら、自分で『問答無用に面白いラノベ』をあなたが書けばいいんです。

それもせずに評論家気取りでかえってラノベへのヘイトを上げてるのは、申し訳ないですがどこから見ても賢い言動とは思えません。

(このコメントに対する返事は昨日ブログに書きました。)

これだけなら別にいいんですが、問題は、このコメントとほぼ同時に、だいたい似たような内容のマシュマロと引用RTが立て続けに届いたことです。

いずれも共通して、お前の活動はラノベ業界にとって有害、というような話をしています。

煽りコメントやマシュマロや引用RTをもらうことはさほど珍しくありませんが、直前に分かりやすいきっかけ(炎上ツイートなど)があったわけでもないのに、ここまで似通った内容がタイミングを合わせて届くのは、さすがに不自然です。

この時点でわたしは当然のように、この3つがお互いに「何らかの関係がある」ことを疑っていました。

とりあえず、引用RTに引用RT返しをしてみることに。

引用RTを送ってきたアカウント、鉄水@隠者
@blue_ash_blue)氏のホームを覗いてみたところ、この引用RTの前のツイートはひと月前、その前のツイートは半年前という状態でした。

病気か何かや気分の問題でツイッターから離れてた可能性もありますが、メインで使用しているアカウントとはちょっと考えにくいところです。

すると、鉄水@隠者
@blue_ash_blue)氏からリプライが。

唐突に記事だのインタビューだの言われて面食らいましたし、わたしはネットで初対面(?)の相手に二人称「君」を使う人間を深く憎んでいるため、かなりイラァッ……としましたが、手がかりをつかむため、ひとまずこの要求を受け入れることにしました。

この「インタビュー」は、質問も(自分で言うのもなんですが)回答もクソしょうもないので読む価値ゼロです。一応、全てのやり取りを記録しておいてはいますが。

いつまでもこんな茶番に付き合ってられないので、適当なところで本題に入りました。

時折はさまれる謎の事業計画匂わせにイラァッ……としつつ、頑張ってツッコんでみましたが、暖簾に腕押しという感じでした。

状況的にはどう見ても怪しいのですが、相手に徹底的にすっとぼけられれば、こちらに証拠と言えるほどのものは無いのもたしかです。

悔しい……ギギギギ……と歯ぎしりしながらその日は眠りについたのですが、翌朝起きると、天の助けとしか思えない、こんなマシュマロが届いていました。



え、マジで……?

と思い確認してみると、マジでした。

(ビーチクリーンラジオというのは、鉄水@隠者
@blue_ash_blue)氏の投稿動画シリーズのようです)

https://novelup.plus/story/717618341/864526108

「妻が握ってくれたおにぎり」みたいなディティールを含めて、ほぼほぼ同じ話です。マシュマロで言われているように、これでもし堅洲(@kadas_blue)氏と鉄水@隠者
@blue_ash_blue)氏が別人で、鉄水@隠者
@blue_ash_blue)氏の言うように関係者でもないのだとしたら、ノベプラに投稿された「私小説」の方は、堅洲(@kadas_blue)氏の盗作ということになってしまいますね。

ついでに、「ビーチクリーンラジオ」で検索したところ、こんなアカウントも見つけました。

アウトドア趣味のアカウントのようですが、このアカウントについては堅洲(@kadas_blue)氏がはっきり「外アカ」とツイートしていました。

この時点で、

堅洲(@kadas_blue)=Mr.コバルト@プライマル(@cobalt_hunter)=鉄水@隠者
@blue_ash_blue 

は1000%確定なのですが、そう認識した上で各アカウントのツイートを見ていくと、傍証がたくさん見つかりました。

そうと分かってしまえば、こちらの対応にも余裕が出てくるというものです。




続けようと思えば無限に続けられましたが、さすがに時間の無駄感が尋常でないのと、いい加減向こうのナチュラルなウエメセが耐え難くなってきたので、最終的な解決のためDMを送ることに。

そして送ったのがこちらのメッセージです。


鉄水@隠者
@blue_ash_blue )=堅洲(@kadas_blue)氏からのお返事がこちら。








……………………。

一つだけ言わせてください。





「引用」に許可は要らないって何回言ったら分かるの!*1


おわりに

ネットで工作する時には、以前から普段使いしてる別アカではなく捨てアカを利用するとか、書き込みのタイミングや内容を意識的にズラすとか、せめてそのぐらいの工夫はするのが、仕掛ける相手に対しての礼儀でもあるんじゃないかな、と思いました。

情報提供マシュマロの配慮を結局ムダにしてしまったことだけは心苦しいですが、あくまで「可能な限り」ということですし、一応わたしは向こうに対して最大限の譲歩をしたつもりです。それでも我慢が足りないというお叱りを受けるのであれば仕方ない。


*1:もちろんDMのような私信の類に関しては自由な引用はできないでしょうが、今回は公開の可能性を予め伝えてあるので、実質的に許可を得ているものとして扱っています。