い(い)きる。

生きることは言い切ること。

ライトノベルがヤクザの資金源に? 光(ライト)の裏にある闇

(元増田)
https://anond.hatelabo.jp/20190617225831

(元ブクマ)
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20190617225831



某週刊誌系のニュースサイトに載る予定だった原稿。諸事情でボツになったので放流。



ライトノベル、通称「ラノベ」。マンガ風の美少女イラストを表紙や挿絵に用いた若者向けの小説のことだ。2000年代に急成長し、現在では300億円以上と言われるその市場規模は、全体的に低迷している出版業界の中で大きな存在感を放っている。

一般の小説と違い、セリフと改行が多めで文字数が少なく、荒唐無稽な内容で専門的な知識がほとんど無くても書ける気軽さのため、ラノベ作家志望者は非常に多い。それらを拾い上げる新人賞も充実しており、また、最近ではWEBでの無料公開から人気を得て書籍化するケースも増えている。

そんなラノベが、意外なことに暴力団の資金源となっているという。現在最も精力的にラノベ事業を手がけているといわれる、とある暴力団の幹部に取材を行った。

 * * *

「これが、ウチの扱ってる主な作家ですね」

言いながら暴力団幹部はテーブルの上に、無造作に十冊ほどのライトノベルを並べた。いずれもアニメ調の「萌え」美少女が表紙を飾っており、暴力団事務所の厳しい空気にそぐわないこと甚だしい。

アニメ化などのメディアミックスを果たしている人気シリーズも確認できる。少年たちの心をつかむ可愛らしくカラフルなイラストの裏側では、実は黒い金が動いていたのだ。

「ウチがやっているのは、表向きには『出版エージェント』ということになっています」

出版エージェント。作家の代理人として、出版社へ著作の出版権を売り込む職業である。日本ではまだ馴染みが薄いが、欧米では広く普及している仕組みである。

「小説投稿サイトでランキング入りしている素人に、手当たり次第に声をかけるんですよ。出版社に作品を紹介して書籍化の提案をするという触れ込みで。新規登録料が○○で月々の会費が✕✕」

幹部が示した金額は、いずれも決して安いものではない。それに見合った利益が登録者にあるのだろうか。

「実際には、こちらからの売り込みみたいなことは特にしません。ウチがやるのは、出版社から作家に書籍化の申し込みが来た時の交渉だけですね。それもほとんど形式的なものですけど。それだけで、印税の4割がウチに入るという契約になっています」

呆れるほどの中間搾取だ。登録している作家たちから苦情の声などは出ていないのか。

「仮にクレームが来ても、こちらの実態は向こうからは見えないので、書籍化の打診が来ればウチのおかげ、そうでなければ作家の実力不足という説明だけで通ります。それに、作家になりたい連中は藁にもすがる気持ちなんでしょうね。そもそも文句はほとんど出てなくて、感謝されることの方がずっと多いですよ」

小説を執筆している者であれば、作家としてデビューしたいと思うのはごく当たり前のことだろう。その純粋な願いが結果的に、このような詐欺としても粗雑な商売を成立させてしまっている状況はあまりにも哀しい。

作家との間に立っているのが暴力団であることに、出版社の側は気づいていないのだろうか。

「わざわざこちらから明かすことはありませんけど、向こうも薄々気づいてると思いますよ。KさんやSさん、それにもう一つのSさんなんかは、ほぼ確信してるでしょうね」

ラノベレーベルを持つ大手出版社の名を次々に挙げる幹部。耳を疑うが、平然とした幹部の顔からは真実を語っているとしか思えない。

それにしても、ラノベ暴力団、あまりにも畑違いの取り合わせに思えるのだが、なぜこんな活動を始めようと考えたのか。

「二次元と三次元の違いこそありますが、女を使ったシノギと考えればソープやデリヘルなどとそう変わりません。実際、流用できるノウハウがいくつもありますしね」

そういえば、風俗店の看板には「萌え」イラストが(無断で)流用されていることも多い。たしかに、ラノベを含む二次元美少女産業と暴力団の相性は、それほど悪くないのかもしれない。

最後に、この事業の今後の展開について聞いた。

「作家志望者をターゲットにしたオンラインサロンなんかにも手を広げようとしているところです。ラノベ研究家という名目で、私自身が講師をやってもいいんじゃないかって話も出てて。大した知識も要らないわりに儲かるんですよ、あれ」

そう言って、幹部は屈託なく笑った。

 * * *

ライトノベルは文学的な価値こそ低いものの、出版文化を経済的に支える存在としては期待されていたジャンルだった。それが今では、ラノベの出版・購入が間接的に反社会的勢力への加担に繋がりかねない事態にまで陥っているのだ。

本来、オタク少年たちに一時の夢を見せるはずのライトノベル(光の小説)。その内に抱える闇は大きい。

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