い(い)きる。

生きることは言い切ること。

承認制小説投稿サイト試論

WEB小説の現状に対する批判の声

2010年代以降大きく注目されるようになった、「小説家になろう」に代表される小説投稿サイト。その隆盛は現在でも続いており、日々多数の作品が投稿され、無数の人間に読まれている。

https://syosetu.com/

作品数40万以上、登録者数80万人以上、小説閲覧数月間11億PV以上。

投稿作品の書籍化および、コミカライズやアニメ化といったメディア展開の話題も尽きることがなく、この巨大な流れはまだ当分は止まりそうにない。

しかし同時にWEB小説業界は、以前から様々な批判にさらされてきた。

中でも目立つのは人気ジャンルへの極端な偏重、すなわち、異世界転移・転生、チート、ハーレム、もう遅い……といった要素を含む、いわゆる「なろう系」一強の問題である。もちろん他のジャンルがないわけではないが、書籍化される作品を見ても多くが「なろう系」であり、一般層にとってはもはやWEB小説の代名詞にすらなっている状況だ。

これには特に書き手の側から、SFやミステリや歴史・時代小説や本格ファンタジーや純文学などのWEB小説における「マイナージャンル」の自作が膨大な数のなろう系に埋もれてしまう、といった不満の声が頻繁に上がっている。

サイト側も、ジャンルを指定したコンテスト開催などの手段で多様性回復を図ってはいるが、どこも完全に成功しているとは言い難いようだ。

これらを踏まえて、WEB小説の現状を補うような新しい投稿サイトの形を考えてみる。

承認制小説投稿サイト(仮)

現在のWEB小説が抱える、特定ジャンルへの一極集中という問題。この原因をひとことで言うと、「クオリティコントロールの欠如」ということになるだろう。

誰でも自由に作品を投稿できること自体は素晴らしいが、当然その質は(石が圧倒的に多い)玉石混淆となる。そういう環境では読者は冒険を嫌って、面白さの方向性がある程度予想しやすいジャンルに流れやすくなり、書き手も読まれるために人気ジャンルでの活動を選ぶ……という悪循環が生まれるわけだ。

WEB小説の書籍化を含めた商業ライトノベルの世界でも、売り上げやPVといった数字以外の評価軸の不足とそれに伴うタコツボ化が、業界の内外からたびたび指摘されている。

これを解決するために、自分の考えた投稿サイトでは招待制SNSの仕組みを参考にする。ユーザーが自分から積極的に招待をするわけではないので、承認制と言うべきか。

まず第一段階において、運営直下の特殊な会員として「小説の専門家」と呼び得る人材を何人か配置する。カクヨムの公式連載に近い扱いだろうか。

中心となるのはやはり各種ジャンルのプロ作家だろうが、この階層のメンバーは自分自身が作品を投稿する必要は別に無いため実作者以外の、批評家や編集者や学者やVTuberでも構わない。とにかく、多くの人々に「この人物に(あるジャンルの)作品を認められることには価値がある」と思わせる人選であることと、得意・専門分野をなるべく広くカバーすることが肝心だ。

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次に、一般のサイト利用(希望)者はこれら特別会員のアカウントに向けて、ある程度の分量を書き上げた自作を投稿する。自作のジャンルとの相性や、特別会員の本業での実績を考慮して、それぞれ信頼できる送り先を選ぶことになるだろう。

特別会員たちは投稿された作品の中から、このサイトで読者に提供するだけの価値があると判断したもののみに、推薦コメントを添えて公開の承認を与える。これにより投稿者は正式に作者登録され、初めて作品の一般公開が可能となるのだ。

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そしてもちろん、作者登録された一般ユーザーも他のユーザーに対して作品公開を承認する権限を持つ。あとは同様のプロセスを重ねて作者が徐々に増えていく、というのが基本的な構造となる。この仕組みなら、公開の時点である程度ふるいにかけられるため作品・作者の質が底上げされ、玉石混淆の度合いも改善されることだろう。

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ただ、これだけでは多くの招待制SNSがそうであるように、一人でも審査のいい加減な利用者が混じればそこが蟻の一穴となって「質の悪い」ユーザーが際限なく流入し、結局はフィルターが形骸化するのではないか、という懸念はある。特に、WEBにおけるアマチュア小説執筆者のコミュニティは馴れ合いの傾向が強く、実質的に素通しで知り合いを気軽に呼び込んでしまう事態は簡単に想像できる。

これを抑止するために、作品・作者情報のページでは、その作者が誰によって承認され、誰を承認しているのかという情報を一般読者に向けて全面的に公開する。上に載せたような家系図様の表示で、上流・下流いずれも端まで系譜を視覚的に素早くたどれるようにするのが望ましい。

もし仮に非常に質の低い作者・作品がサイトに存在した場合、それを承認した作者が誰なのかが一目瞭然となるわけだ。責任の所在の明確化である。

読者としての眼力が作者としての力量に必ずしも直結するわけではないが、一般的には、小説の良し悪しが分からない人間に良い小説が書けるはずはないと思われがちなのは事実だ。一蓮托生で自作の信用を地に落としてまで、創作仲間の微温的な付き合いを優先する覚悟のある作者はさすがにそれほど多くないだろう(と思いたい)

もちろんこの系譜の明示は、作者を縛るためだけのものではない。読者が作品を選ぶ際に、この人が認めた作者(が認めた作者が認めた作者が認めた作者……)なら読んでみようか、という形でランキング以外の導線としても機能する。むしろそちらが本来の目的だ。

このようなシステムにおいては、特別会員を含めた各作者は自分の下流、特に直近の「子」世代の質に対して大きな責任とリスクを負うことになる。そのため、承認以後も強力な権限を有するべきだろう。

作者ユーザーは、自分の「子」作者をいつでも無条件に除名できることにする。

一度は承認したもののやはり公開に値しないと気付いた、あるいは承認時点では優れた作者だったが後に堕落した、というような場合に行使することを想定している。除名された作者の作品は公開停止され、別の作者に再び承認されるまで一切公開できなくなる。

除名された作者の「子」以下のユーザーについてはどう処理するべきだろう。巻き添えを食う形になるが、サイトの基本理念に従うならやはり一括で公開停止とするのが正しいか。信頼すべきではない作者を信頼した責任を取ってもらう、ということだ。

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非常に厳しいルールではあるが、サイト全体の緊張感維持のためには、こうしたやり方も有効だと考える。

承認制投稿サイトの問題点

さて、ここまでメリットを中心に述べてきたが、当然ながらこのサイトには大きな問題がいくつもある。

ユーザー間の明確なヒエラルキー

たとえPVやランキングなどで実質的にはユーザー間に階級が存在するとしても、建前上は全てのユーザーは平等であるとするのが、現在の一般的なWEBサービスの姿勢だ。それに真っ向から反し、上下関係を図示さえするサイトの印象は、控えめに言っても最悪だろう。

ユーザー数の抑制

いわゆる読み専の読者も存在するものの、投稿サイトでは作者の多くが読者も兼ねている。突き詰めれば、WEB小説業界では読者の数こそがサイトの価値を最終的に決めるものであり、他サイトが人を集めることに必死になっている時に、わざわざ作者≒読者の数を抑制する仕組みを導入するのは、単なる自殺行為といえる。

作者が小説執筆以外の作業を要求される

公開希望者の審査だが、一人分では大したことがなくても、数が集まれば片付かないホームワークと化して忙殺されることは目に見えている。また、個人的な経験から言っても、自発的に読むものでない小説はそれだけで苦痛になり得る。

ホームワークが終わらない

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信頼されている人気作者ほど、二次的な作業にリソースを大きく割かれ小説執筆に専念できなくなる投稿サイトとはなんなのだろうか。

承認のメリットとリスクの不均衡

低レベルな作者をうっかり承認してしまった場合には、どこに目ぇ付けてんだと読者から袋叩きに合う可能性が高いが、逆に良い作者をきちんとすくい上げても、それで審査した側の株が急上昇するとは考えにくい。この場合最も賢い行動は、申請を完全無視もしくは片っ端から却下していく、ということになりかねない。

一定期間内の承認ノルマを課すという手もあるが、それはそれでクオリティコントロールという本来の目的からすると本末転倒である。

まとめ

というわけで、この「承認制小説投稿サイト」という案はまったく現実的ではなく、あくまで思考実験程度のものだ(何より下品だし自分自身はこんなサイト絶対に使いたくない)

しかし、もし仮になろう系に対するオルタナティブなWEB小説の流行の発生を、サイトの仕組みの面から促そうと本気で考えるのであれば、方向性は別にしてこのぐらい極端な方策も必要になるのではないかとは思う。

小説家になろうは、システムの点から見れば、小説投稿サイトとして良くも悪くも尖ったところがない。普通に投稿できて普通に読める、過不足のない普通のサイトだ。いわゆる「なろう系」は、そんななろうの中で、特定の企業や個人の思惑によらず、あくまで自然発生的に生まれてきたジャンル(?)ということになる。

もしもこれに対抗するつもりなら、なろうをベースに多少の「改善」を施したマイナーチェンジ版程度のサイト(新興の投稿サイトの多くは読者としての自分にはそう見える)では足りないのではないか。別に、サイト自体の分かりやすい欠陥がなろう系を生んだわけではないので。

スト2に対して餓狼伝説をぶつけても、スト2ブームが二次元格闘ゲームブームになるだけで、新たに大きな波を起こすことは難しい。いま本当に求められているのはバーチャファイター的な投稿サイト、もしくはいっそバーチャロン的サイトなのかもしれない。

(このたとえだと、二次元格闘ゲームブーム、いいじゃん!って結論になりそうだが……)

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余談

上では「招待制SNSの仕組みを参考にする」と書いたが、実のところ承認制投稿サイトの仕組みは、どちらかといえば新人賞の方に近い。審査を経て認められた作者の作品のみが一般読者の目に触れることになるのだから。新人賞からデビューした作家(の一部)がいずれ新人賞の審査員となる、という連鎖の構造も同じだし、圧縮されたミニチュアの新人賞と言ってもいいだろう。

プロ作家や批評家といった審査員の手で賞を与えるのは、言うまでもなく権威付けの一種だ。新人賞に限らず、SFやミステリや歴史・時代小説や本格ファンタジーや純文学といった従来の小説はいずれも、どこの馬の骨とも知れない素人にはそうそう書けるものではない(だからこそ価値がある)、という権威化によって市場が成立してきた側面が大なり小なりある。

そのため、大半の作者がプロ作家や出版社や賞といった権威に価値を裏付けられていない「どこの馬の骨とも知れない素人」となるWEB小説の世界で、SFやミステリや歴史・時代小説や本格ファンタジーや純文学が読まれにくいのも当然と言える。オレのSF/ミステリ/歴史・時代小説/本格ファンタジー/純文学が読まれないと嘆く文字書きの人々自身にしたところで、自分以外のアマチュア作者が書いたSF/ミステリ/歴史・時代小説/本格ファンタジー/純文学をネットで積極的に読みたいとはあまり思わないのではないか(文字書き仲間同士の内輪褒めはノーカン)

それに対しライトノベルというカテゴリは、「ライト」という名前からして明らかなように、そのような権威化が比較的薄かった。ジャンルの専門家と呼べるような人材もあまりいない。新人賞が存在するのだから権威付けが皆無とはいえないが、それでも他の小説分野に比べればゼロに等しい。

結果的にではあれラノベは誕生からずっと、世間からの軽侮と引き換えに「どこの馬の骨とも知れない素人」でも(面白いものが)書けそう、という気安い印象を維持し続けてきたのだ。それが実態に即しているかはともかく。

なろう系を含むライトノベル的な作品がWEB小説の中心となったのは、結局のところこの違いによるものだ。読者のレベルの低さの問題などではない。

はっきり言ってしまえば、読者の目からは、「どこの馬の骨とも知れない素人」の書いたSF/ミステリ/歴史・時代小説/本格ファンタジー/純文学よりは、「どこの馬の骨とも知れない素人」の書いたラノベの方がはるかにマシに見える、ということになる(個人的には「どこの馬の骨とも知れない素人が書いた純文学」がいちばんおっかない)

SF/ミステリ/歴史・時代小説/本格ファンタジー/純文学を読みたい人間も、そして書ける人間も、その大半は今の投稿サイトには用がない。そこには権威が、「小説」*1の価値を保証してくれる根拠が欠けているから。

これを前提とすると、非ラノベ的な小説がネットで広く読まれるようになるためには、権威によるお墨付きの仕組みを部分的にネットに持ち込むしかないのではないか。そんな思いつきが、承認制投稿サイトというものを考えるきっかけとなった。

しかし既に見たように、権威付けを部分的に持ち込むということは、本来のWEB小説の美点を部分的に殺すということにほかならない。非ラノベ的小説が真の意味でWEB小説に根付くには、各ジャンル、ひいては「小説」自体が権威から本格的に脱却する努力が必要となるのだが、まあ、だいぶ難しいだろう。

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*1:ラノベ以外のみを指して小説と呼ぶ用法が存在する。

勝手にハイ/ローファンタジーQ&A

↑のまとめのツイート群同様に、特にググって確認したりせずに書いたので、おかしいと思ったら遠慮無くツッコんでください。


Q1.「ハイファンタジーって指輪とかゲドとかの設定がちゃんとした『高級』なファンタジーじゃないの?」

A1.一般的にハイファンタジーは、『この世界』とは成り立ちから異なる(パラレルワールド等ではない)異世界を舞台にしたファンタジー作品を指すとされています。

Q2.「ファンタジー異世界を舞台にするのは当たり前じゃないの?」

A2.現実世界をベースにファンタジー要素を投入した、「ローファンタジー」というジャンルが存在します。

Q3.「ローファンタジー……?そんなモン聞いたトキねーぞ……?」

A3.聞いたことはなくても、触れたことがない人は恐らくほとんどいないはずです。

たとえば、お前らが大好きな型月作品、特に月姫らっきょあたりは、敢えてファンタジーの枠組みで見ればローファンタジーに含まれますが、一般的には「伝奇」として認識されるでしょう。

月姫 [再販版] / TYPE-MOON

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空の境界(上) (講談社文庫)

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ローファンタジーという言葉はカバーする範囲が広すぎるためか、「ローファンタジー」としか呼びようがないケースを除き、より具体的で細分化されたジャンルで呼ばれることが多く、そのため「ローファンタジー」という領域が意識されにくくなりがちです。

あるいは、しばしば「ハイ」に高尚さが見出されるのとは逆に、「ロー」の響きを避ける感情も影響しているのかもしれません。

Q4.「なろうのランキング見ると私の知ってるハイファンタジーとは全然違う作品ばかりだし、今はもう『ハイファンタジー』の定義が変わったんだな……┐(´д`)┌」

A4.変わってません。

仮に、指輪だのゲドだののような作品を「ハイファンタジー」ジャンルとして投稿し、規約違反で削除でもされるのであれば、ハイファンタジーの「定義」が変わったことになるでしょうが、そのような事実はありません。なろうで起きているのは、ハイファンタジー内の特定の領域に作品が偏っているだけです

それで非なろう的なハイファンタジーが埋もれるなら何らかの対処は必要かもしれませんし、自分がハイファンタジーに期待するのはこういうものだ(それ以外はゴミ)と主張するのも自由ですが、それはハイファンタジーの定義とは別の問題です。


Q5.異世界転移・転生って、ハイ/ローどっち?

A5.以前はローだと考えていましたが、今は正直わかりません。

ある程度信頼のおける文章などを見ても、その判断は割れているようです。

ハイファンタジーの定義ど真ん中、典型的なハイファンタジーとされるのは、最初から最後まで異世界で進行する物語です。

同様に典型的なローファンタジーは、現実に何らかのファンタジー要素を加えた世界が舞台のもの、もしくは、異世界から現実(に近い)世界に何らかの存在がやって来るもの、です。

異世界転移・転生は、少なくとも「典型的なハイファンタジー」でも「典型的なローファンタジー」でもありません。主な舞台が異世界となることはハイファンタジー的ですし、主人公自身を含めた現実世界との繋がりはローファンタジー的です。重視する点によって、意見が分かれるのは無理もないと思います

ただ、たとえば、異世界転移・転生を無条件にローファンタジーの側に置きながら、「この世界」の情報にアクセスしてるらしき描写があり知識チートの代表作の一つともされる『まおゆう』を「完全にハイファンタジー」とするような態度は、ダブルスタンダードの謗りを免れないでしょう。



Togetterコメンターの未知神明(みちがみ・あきら) (ontheroadx) さんをブロックしたら妙なことになった

ontheroadx「「違約アカウントです」と、コメント欄に書いて、たとえば佐藤葵@ srpgloveさんのまとめだと、「srpglove-22」だから、それを報告するのね。」

先日、たまたまなんとなくTogetterを「ラノベ」で検索してみたところ、こんなまとめが引っかかってビックリしました。

(言わずもがなですがTogetterとは、自分以外による投稿も含めたTwitterのツイートをまとめて公開することができるサービスです)

まとめタイトルで自分の名前を見ることなど滅多にないので、恐る恐る覗いてみた中身はというと、こんな具合。

まとめ作成者は、このツイートの投稿者である未知神明(みちがみ・あきら) (@ontheroadx) 氏ご本人。いわゆる「セルフまとめ」というやつです。

未知神明 (@ontheroadx) 氏の主張は、わたしの作ったまとめがAmazonアソシエイトの規約に違反している、ということのようです。そして、Amazonに通報せよ(アカウント凍結させろ)、と煽ってますね、これは完全に。

事実と規約(Togetter・Amazonアソシエイト)の確認

とりあえず、事実の確認から始めていきましょう。

まず、わたしの作成したTogetterまとめにAmazonアフィリエイトが含まれていること。これは間違いありません。ほぼ全てのまとめに最低一つは存在しています。まとめ冒頭が定位置です。

実際にまとめを見てもらえば分かりますが、その大半はまとめの題材と直接関係する商品ではなく、一種のネタとしての選択です。成り行きで、こんなエントリまで書いたこともありました。

一度、とあるはてなブロガーがわたしのまとめに「アフィで儲けてる」といったコメントを残していたので、多くても月に1000円(正確には金額分のAmazonギフト券)行くか行かないかぐらいだよバーカ!とブチギレて、アフィリエイトを解除したことがありました。しかし後に、その人がブログのアフィで月に39万円稼いでた上に本人のTogetterもやっぱりアフィ付きだったことを知り、またまたブチブチギレギレて今は元通りです。

なぜわたしがこうも堂々とまとめにアフィリエイトを載っけ続けていられるのか。

その理由は単純に、Amazonアフィリエイトidの登録が、Togetterが公式に提供している機能だからです。


まとめ内に挿入したAmazonリンクにアフィリエイトIDを適応することができます。

AmazonアフィリエイトID」欄にお持ちのIDを記入。

続いて、まとめの作成画面からまとめに関連するAmazon商品を追加すると、その商品のリンクが全て自動的にアフィリエイトリンクとなります。

できます、と言われたので、じゃあお願いします、と素直に従った形です。コンビニでおにぎりを温めてもらうのと同じような感覚。

一応、「注意事項」としてこんなものが挙げられてはいます。

  • アフィリエイト収入のみを目的として作成する行為は禁止いたします。アフィリエイトに関する規定はTogetter利用規約第6条「禁止行為について」をご覧ください。
  • Amazon商品のアフィリエイトリンク設置機能は公式の機能として提供しているものであり、その範囲であれば利用規約第6条17項「アフィリエイトのリンクを含むまとめ及びコメント掲載行為」には反しません。
  • アフィリエイト収入を主目的としているかについてはコンテンツの構成やユーザ情報等から推測されるもので、当社の運営チームにて判断いたします。まとめのテーマが規約に違反していないか、読み物として成立しているか、Togetterユーザーにとって価値のあるものか等が大きな判断基準となります。

アフィリエイト収入を主目的としているかについてはコンテンツの構成やユーザ情報等から推測される」、というのは何とも曖昧な基準ではあります。しかし、アフィリエイト設置機能を向こうから提供しておいて、通常のツイートまとめの中にアフィリエイトリンクが一つ二つ含まれている程度の状態が規約違反となるとはちょっと考えにくいところです。実際、アフィリエイト関連を理由にしたまとめの公開停止や削除といった運営からの処分は、わたしはこれまで一度も受けたことがありません。

Togetterの方の規約はこれで大体いいとして、問題はAmazonアソシエイトです。

未知神明 (@ontheroadx) 氏が、わたしのまとめが抵触していると主張する規約?がこちら。


プログラム参加申請をお断りするサイト例

申請頂いたサイトが以下に該当するような場合は、参加をお断りする場合がございます。
申請される際には、是非一度確認ください。

リンクを使用するサイト・目的が不明瞭である場合

      - 他者(社)が運営するWebサイトやURLを使用している

未知神明 (@ontheroadx) 氏が、そもそもこれはあくまで「プログラム参加申請をお断りするサイト例」であることをよく理解してないように見える点は引っかかりますし(わたしは自分のTogetterのホームをAmazonアソシエイトに申請して既に登録されています)、どういう根拠があるのかやけにきっぱり断言している「これは主に「バズったツイートにスレッドつなげて「私も同感です+アソシエイトリンク」をする人への対策。」という解釈も、そうなの?と感じるところではありますが、それはさておき。

Togetterが、「他者(社)が運営するWebサイトやURLを使用している」に該当するのかというと、確かにそれらしいとは言えます。利用許諾を得ているとはいえ*1、ツイートという外部のサービスの投稿を二次的に利用することが大前提の構造なわけですからね。

しかし、仮にも(立ち上げ当初はともかく現在は)企業が運営しているサービスで、GAFAゴッグアッガイフルバーニアンアッシマー)の一角の逆鱗に触れるような機能をわざわざ大っぴらに公開して、そのまま何年も放置しておくものなんでしょうか。いや、企業のやらかしなんてもう見飽きたぐらいの現代社会ではあるので、法的な根拠も根回しも本当に何もないまま無造作にアフィリンク機能を実装してる可能性も、ゼロではないとは思いますが。

(念のため、改めてTogetterにアフィリエイトリンク設置機能利用の正当性について問い合わせたところ、問題ない、という答えがとりあえず返ってきました)

そして、もし仮にTogetterのアフィリエイトリンク設置機能自体がAmazonアソシエイトの規約に違反しているのだとしても、それを利用する個人であるわたしが特に名指しで通報対象とされるのは、どうも納得がいきません。同じくアフィリンク機能を使ってるまとめ作成者が他にも山ほどいるからということではなく、まず告発すべきなのは規約違反の機能を適法であるかのように実装しているトゥギャッター株式会社(Togetter Inc.)ではないでしょうか。

しかし、未知神明 (@ontheroadx) 氏は決してそうはしないんですよね。むしろ、できないと言った方がいいでしょうか。

なんでかというと、未知神明 (@ontheroadx) 氏にとっては、Togetterこそがネット上での居場所らしいからです。

Togetterコメンター「未知神明 (@ontheroadx) 」氏とは

未知神明 (@ontheroadx) 氏のTogetterのホームを見てみると、作成したまとめが520、コメント数はなんと11012にも上ります(参考までに自分はまとめ340、コメント118)。Togetterをコメント欄まで見る人であれば大抵、未知神明 (@ontheroadx) 氏のあのアイコンを一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

Twitterアカウントの方も、大半はTogetterコメントの連携ツイートで占められています。

未知神明 (@ontheroadx) 氏がTogetterに軸足を置いて日々ネット活動しているのはほぼ確実でしょう。そんな大切な場であるTogetterそのものの存続が危うくなるようなことは、未知神明 (@ontheroadx) 氏も避けたいものと思われます(わたしを批判する理屈自体が結果的にTogetter全体への追及になってしまっていることはともかく)

この未知神明 (@ontheroadx) 氏のTogetterへの思い入れ、大げさに言うなら〝Togetter愛〟こそが、どうも今回のまとめのきっかけとなったのでは、と思われるフシがあります。



話は数年前まで遡ります。



未知神明 (@ontheroadx) 氏は以前から、Togetterなどで少しでも金銭的な利益を得る行為を過剰に嫌悪する立場を表明していたようです。いわゆる「嫌儲」と呼ばれる種類の人間ですね。

そしてある時から、わたしの作った複数のまとめにも、ほぼ同じ文面でアフィリエイトを批判するコメントを立て続けに投稿し始めました。

さすがにちょっと気になったので、Twitterで直接話しかけてみることに。以下はそのやり取り(わたしのツイートは前に一度全消ししてしまったので画像)

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そういえばこの時は、あくまで「Togetterの規約違反」という理由で批判してたんでしたね。

この不毛なやり取りですっかり疲れ果ててしまったわたしは、未知神明 (@ontheroadx)氏を対話不能な相手として認識し、TwitterとTogetterでブロックすることにしました。

これだけ意見がすれ違ってる相手と会話を続けても実りはないでしょうし、距離を置くほうがお互いのためというものです。Togetterでブロックされたところで、未知神明 (@ontheroadx)氏は「ライトノベル炎上ねらいまとめ」にコメントができなくなるだけで(まとめの閲覧は可能)、何の損もないはずです。

「注意喚起」コメントの自由があればブロックの自由もある。未知神明 (@ontheroadx)氏もそれは理解しているものと考え、何の気なしにブロックを実行しました。こちらとしては、それで未知神明 (@ontheroadx)氏との関係は全て終わったものと思っていました。

しかし、しばらく経ってからのこと。

どうも未知神明 (@ontheroadx)氏は、わたしからのブロックを予想を遥かに上回る深さで根に持っていたようです。なぜこのタイミングなのかは分かりませんが、その恨み?が爆発したのが、今回の一連のツイートおよびまとめなのだと思われます。


Togetterコメンターの心理(推測)

たかがTogetterでのブロックに、なぜそこまで未知神明 (@ontheroadx)氏は憤慨したのか。

これはあくまでわたしの推測になりますが、Togetter大好きっ子である未知神明 (@ontheroadx)氏にとっては、Togetterの全ての領域が常に自分の自由な遊び場であるべきものなのかもしれません。であれば、たとえわたしの「ライトノベル炎上ねらい」「アフィリンクがあるアフィリエイト」ゲロカスまとめであろうと、そのコメント欄から締め出されるという状況が、耐えがたいストレスとなることもあり得なくはなさそうです。

特にわたしの作るまとめは、どういうわけかPVに対して比較的多くのコメントが集まる傾向があるのでなおさら、盛り上がってる場から仲間外れにされているような気持ちになりやすい、のかも?

そのあたりの心理には、インターネットぼっち歴の長い自分としても同情を覚えなくもないです。が、しかし、それははっきり言って自業自得というもの。ご本人の中で消化してもらうほかありません。


おわりに

わたしのアカウント凍結を扇動する未知神明 (@ontheroadx)氏のツイートとまとめは、既にTwitterとTogetterの運営にそれぞれ通報してあります。ですがどちらも、適切な対応をどれほど素早く取ってくれるものか疑問です。問い合わせの結果が出るまでの間は、TogetterやAmazonの自分のアカウントが今にも凍結されるのではないかと怯えながら過ごす羽目になります。なんでこの年の瀬にこんな余計なストレスを抱え込まねばならないのか……(毎年この時期は誰かとやり合ってるような気もするが)

こんなことが起こるぐらいなら、TogetterでのアフィリエイトIDなんてもうキレイさっぱり解除してしまってもいい気もしますが(どうせ月平均500円ぐらいなんだし)、こういうやり方に屈するのもシャクなので、やはり絶対にやめません。一度でいいから、アフィで月に5000円以上稼いでみたいし。

Togetterでまとめを作成している他の方々も、こういうトラブルにはくれぐれも注意してください(具体的にどう対処すればいいのかは不明)

犬神 明1

犬神 明1

*1:https://togetter.com/info/terms 「ユーザーが本サービスにおいてまとめるTwitter上の各投稿に関する著作権については、トゥギャッターがTwitterから利用許諾を得ています。」

サヨクVSラノベ&なろう

先日、たまたま偶然こんなツイートを見かけた。

説明するまでもないが、ここで言う「なろう系」というのは、小説投稿サイト「小説家になろう」に掲載されている作品に多く見られる、「異世界転移・転生」「ゲーム的なファンタジー設定」「チート能力」「ハーレム展開」などの特徴を持つ作品群のことだろう。もちろん他の定義や線引きもあるが、一連のツイート内ではこの意味で問題ないと思われる。

小説家になろう - みんなのための小説投稿サイト

小説家になろう」自体が主にアマチュアの投稿するサイトであり、もともと世間で軽く見られやすいジャンルではあるのだが、それにしてもこのツイートの、「なろう系」とその作者・読者に対する強烈な蔑視には圧倒されてしまう。なろう作家・読者はバカだからなろう系なんか書いたり読んだりしてるのだ、という力強い主張であり、文化差別主義そのものと言っていい。

こんなツイートをする人物なのだから、プロフィールもさぞ悪意と嘲笑に満ちていることだろう……と予想して覗いてみると、意外なことに実際はこんな感じなのだった。


うっかりフォローすると高い確率で後悔します. こんな社会状況で,自分の暮らす場を少しでもまともな社会にしたいと思うなら,フェミニストであるという立場を取る以外に選択肢は一つもないじゃないか.ただしもちろんぼくがフェミニストと言えるかどうかは別としての話で,そんな事は他人が勝手に決めればいい話だ.URLはほしい物リスト

長々と曖昧に書いているが、いわゆる「反差別」的な思想を表明していると読んで間違いはないはずだ。

そんな人間がなぜこのように罪の無い他者を蔑むツイートを平然と行っているのだろう。フォロワーにも大勢いるであろう反差別というかリベラルというかその辺の人々は、少しぐらい諌めたりしないのか。

しないのである。むしろ積極的に同調している。

その他のツイートはリンク先を参照してもらいたい。

このあたりの事情にあまり詳しくなく、「反差別」の価値を純粋に信じていた初心な人にとっては、少々ショッキングな光景だろう。あくまでこれは例外的なケースであると思い込みたいところかもしれない。

だが、これは初めてでも何でもなく日常茶飯事の出来事だ。なろう系やその隣接領域であるライトノベルは、反差別というかリベラルというかその辺の人々によってこれまでも繰り返し理不尽に攻撃されてきた。

以降、「反差別というかリベラルというかその辺の人々」を便宜上まとめて「サヨク」と呼ぶ(※一般的な意味での「左翼」とは異なります)

たとえば、2年前に「シュナ娘境ホラ『気持ち悪い』事件」というものもあった。

これは、完全な自由意志で入店した書店でとあるラノベの表紙(巨大な胸部を持つ女性のイラストが描かれている)を目撃したとあるサヨク寄りアルファツイッタラーの娘が「気持ち悪い」という素朴で個人的な感想を漏らし、それを当該アルファツイッタラーが画像付きの(二重の意味で)扇情的なツイートで全世界に向けて拡散したことにより巻き起こった論争(?)である。

アルファツイッタラーのツイートは膨大な数のサヨク同調者を生み、最終的に一部の書店では、当該ラノベの平積みを停止する事態にまで発展した(発売後2日間の売り上げで続刊の可否が決まるとすら言われるライトノベル業界においてこれがどれほど大きなダメージかは言うまでもない)

これ自体もたいへん痛ましい一件ではあったのだが、これに絡んで多くのサヨクが、「ライトノベル」というジャンルそのものへの様々なコメントを残している。

たとえば、この北守 (@hokusyu82) という人物。

詳しくないのではっきりとしたことは言えないが、サヨク界隈では非常に有名な中心的存在の一人らしい。また、かつてのアイコンは、後継的なブラウザゲーム「超昂大戦 エスカレーションヒロインズ」が先日サービス開始したことでも知られる名作アダルトPCゲーム『超昂天使エスカレイヤー』だった、という情報もある。

そんな北守 (@hokusyu82) 氏が「シュナ娘境ホラ『気持ち悪い』事件」に寄せたコメントがこちら。

これらのツイートに、この件の本来の論点であったはずの、ラノベにおける性的消費に対する批判や、より厳しいゾーニングの是非といった要素が感じられるだろうか。それらについて、少しでも真面目に考えたであろう痕跡が。

少なくとも、自分の目では全く見出すことができなかった。むしろ、単にライトノベルというジャンルやその関係者を非文化的(いっそ非文明的?)な存在としてひたすらに貶めたい、というマウンティングの欲望ばかりが強く強く伝わってくる。

サヨクによるラノベ・なろうへの言及は、一事が万事この調子なのだ。







もちろん彼らの内側には、ラノベやなろうへの恨みや憎しみがあるわけではない。そもそもそんなものを抱けるほど深くラノベ・なろうと関わったことのあるサヨクは、ごくごく少数だ。

実のところ彼らは単に、世間一般から文化的に低く見られているラノベ・なろうの評価を素直に内面化し、反撃を受ける心配がほとんどない安全圏から石を投げて遊んでいるに過ぎないのだろう。雑魚をボコってストレス解消!みんなで投げれば怖くない!






それって、ふつうに「差別」なのでは?






あるいは、サヨクの人々は慌ててこう言うかもしれない。

「ウヨクだってラノベ叩きぐらいしてるだろ!」

たしかに。

サヨクと対になる、排外主義とか選択的夫婦別姓反対とかその辺の人々、「ウヨク」(※一般的な意味での「右翼」とは異なります)

ウヨク≒ネトウヨというのはその定義からして差別を内包しているような存在なので、もちろんラノベだって大いに差別している。

ことに、ラノベ業界内で他の作家や作品を見下すような発言をしてる連中は大体ネトウヨと言ってもいいぐらいだ(※あくまで個人の印象です)

それはそれとして。

たとえば、よくは知らないがネトウヨの親玉的な存在らしい人物によるこのブログ。


ライトノベル」ブログ読者の皆さんも一度は聞いたことがるのではないでしょうか?定義づけるなら、一般の小説と比較すると読者層をマニアックな層に限定し、文章も読みやすいものにしている、気取らない小説。ところが、その中身をみると…「ずだだだだだだ」「ざさぁー」「きゃーーーーーーーーー」など子供が書いたのか?と疑うような擬音語が羅列されているなど、とても我々が知っている純文学とはかけ離れた小説になっているのです。

日本語を使うプロだからこそ、昨今の「軽い」日本語に違和感を覚えるとともに、それを受け入れる日本社会のあり方に疑問を感じるのです。

日本語を使うプロ(笑)

というのはともかく、ラノベの「まともでなさ」をことさらにあげつらう論調は、先に挙げた北守氏のツイートと非常によく似ていることが分かる。まるで双子のように。

サヨクがするようなラノベ差別はやはりウヨクもしていたのだ。これでイーブン。50/50。よかったよかった。



と、サヨクの皆さんも安心できただろうか。それでいいの?本当に?

これはつまり、ラノベ・なろう関係者にしてみれば、サヨク」は「ウヨク」と同レベルの差別的な存在だという事実に過ぎないのだが。

「反差別」を旗印に掲げるサヨクとしては、これはさすがにちょっとマズいことではなかろうか。しかしまあ、なにしろ「オタク差別」などはこの世に存在しないという公式見解が繰り返し確認・強調される界隈である(反差別リソースの分散を防ぐため?)。ましてや「ラノベ差別」など、一笑に付されたついでに絞めこ○されて山に埋められるのがオチなのかもしれない。

それでも、自分は人間の善意と理性の輝きを信じ続けたい。この駄文を読んで少しでも感じるところのあったサヨクの方は、速やかに悔い改めてくれ。よろしく頼むアカ(サヨク語尾)

小夜のテーマ

小夜のテーマ

  • 発売日: 2018/07/21
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ラノベ巻末解説推進論者たちの主張から、小説における「解説」の意味合いを改めて考える


つまるところ一足飛びにラノベ界隈に評論市場を作ろうというのが安直で横着なわけで、まずは「一般小説の文庫末尾にはある解説」をラノベにも導入するところから始めるべき。

体系化や系譜の話も充分できるし、過度の権威化は避けつつも小遣い稼ぎの余地はちょいある、という程度に収める「ラノベ界に解説文の導入」、まずはこれでしばらく様子を見るの、悪くないと思うんですがねー。

本題に入る前に細かい指摘をしておくと、現時点でもラノベに巻末解説の例がないわけではない。主に新人賞作品に付けられていた、編集部による解説以外にも。

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

本題。ラノベ批評の足がかりとしての巻末解説を、という話は別にこの増田が初めてではなく、最初に言い出したのはたぶん、角川春樹事務所の編集者、中津宗一郎氏だろう。

たしかに、一般文芸(いわゆる「ふつうの小説」)の文庫の多くには巻末に「解説」が付いている。これこそが文庫本来の正しい姿であり、ラノベに解説がない事実は文化としての未成熟を表している、といった主張に説得力を感じる人も多いかもしれない。

しかし、それは果たして本当に正しい論理なのだろうか。

単純な事実の問題として、一般文芸の文庫とラノベの文庫では、実態に大きな違いがある。それは、一般文芸の場合まず最初に単行本なりノベルスなりで出た作品がある程度の時間を経て「文庫落ち」することが多いのに対して、ラノベの文庫レーベル作品は基本的に「文庫書き下ろし」である、という点だ。そして一般文芸でも単行本では、解説が付くケースは文庫に比べれば圧倒的に少ない。

最近では、一般文芸でも文庫書き下ろしが増えたり、ラノベでも特にWEB小説などは単行本で出版されることも多く、そこからの文庫落ちの例もないではないが、それでも基本的な構図はさほど変化していないだろう。

文庫解説と一口に言ってもその執筆者も内容も様々(作者の愛読者である有名人など非専門家が書いてることも珍しくない)だが、「解説らしい解説」となればそこに求められるのは、

  • 作品のあらすじ
  • 作者の紹介
  • ジャンル上の位置付け

あたりだと思われる。そのような解説を書くにあたって対象作品は、初めて世に出るものと、初出からある程度時間の経ったもの、どちらが書きやすいだろうか。また、作者については、全く無名の新人とデビューから数年後の作家では?

当然、どちらも後者のはずだ。作品・作家の世間的な評価がある程度定まってきた状況で、それを踏まえて整理したり新たな観点を導入したりして書かれるのが一般的な文庫解説だ。「解説」の材料に乏しい、まっさらな新人のデビュー作を渡されて、読む意味があるような文章を書くのはどれだけ優れた批評家でもなかなか難しい仕事だろう。一般文芸の文庫の解説が数ページでも価値を持つ(持ちやすい)のは、文庫落ちというシステムを前提としたいわば「後出し」だから、と言っていいのではないか。

ラノベレーベルでもノベライズなどでは解説が付くことが多いのも、これが理由だろう。アニメやゲームなどの先行する原典が、一般文芸における単行本同様の役割を果たしており、解説に値するような作品を取り巻く情報がノベライズ出版時点で既に蓄積されているのだ。

作品及び「新伝綺」という(極めて人工的かつ恣意的な)ジャンル・ムーブメントを伝奇小説の歴史の中で正統な後継者として位置付けようとした笠井潔による『空の境界』解説にしてもそうだ。あれは、講談社ノベルス版以前に同人版が出ており、また、『月姫』『Fate』のエロゲ2作で既にクリエイターとしての奈須きのこの名声が確立されていたからこそ可能だったとも言える。

空の境界 上 (講談社ノベルス)

空の境界 上 (講談社ノベルス)

繰り返すが、ラノベの文庫レーベルは一般文芸とは異なり、文庫書き下ろし新作が中心である。この違いを完全に無視して、一般文芸には解説があるのだからラノベにも解説を導入すべき、と単純に主張するのはあまりにも乱暴すぎるだろう。素性の分からない元増田はともかく、プロ編集者である中津宗一郎氏がこの点に気づいていないはずはなく、意図的に閑却しているのだとすれば余計に罪深い。

もちろん、一般文芸とは異なるラノベに適応した解説の形というものもあり得るとは思う。しかし当然ながら、それを実現するのは簡単なことではない。

元増田の、

作家的にも「あの人に自作の解説を書いて貰いたい」という欲求は少なからずあるはずだと思うのよ。

という話も、作家の希望が常に100%通る保証があるのでもない限り大した意味はない。

体系化や系譜の話も充分できるし、過度の権威化は避けつつも小遣い稼ぎの余地はちょいある、という程度に収める「ラノベ界に解説文の導入」、まずはこれでしばらく様子を見るの、悪くないと思うんですがねー

この手の人たちはなぜか頑なに「体系化や系譜の話」にこだわるのだが、仮に増田のような軽率な人物が舵取りをした場合、メリットよりもリスクの方がはるかに大きくなりそうだ。最終的に体系化を目指すにしても、そもそもラノベは体系化の難しいジャンルであるという前提を踏まえて慎重に行わなければ、偽史の温床となる可能性が極めて高いだろう。

また、「過度の権威化は避けつつ〜」と増田は言うが、わたしの目にはどうしても、外部・過去の権威との接続によってラノベの価値を高める働きを期待してるように見えてしまう。「お墨付き」がほしいなら、帯の推薦コメントで十分なのでは。



結論として。ラノベ解説推進派の方々はまず、「商品の完成度」を上げる≒ページ数分の値段を上げてまで付ける価値のある「ラノベ解説」の具体例を、自分で書くなり誰かに書いてもらうなりして、ネットで広く公開してみてはどうだろうか。それでラノベ読者の支持を得るのが、ラノベ巻末解説の普及に繋がる一番の近道だとわたしは思うのだが。

鉄水@隠者 (@blue_ash_blue )=堅洲(@kadas_blue )氏による複アカ煽り

簡単なまとめ

「本格ファンタジー」文字書きが複アカで突撃してきた。

本編

昨日の今日でほぼ同じ話から始めるのは気が引けますが、このエントリ単体でも理解できるものにしたいので、もう一度最初の最初から始めます。

以前、「本格ファンタジー」を自称するとあるなろう小説を例に、多くの文字書きがなぜか陥りがちな「自分の作風はラノベっぽくない」という思い込みについての文章を書きました。

その「本格ファンタジー」なろう小説「最後の眠り人は、魔王の城にて ~ダークスレイヤーの帰還~」の作者、堅洲(カダス)(@kadas_blue)氏とはツイッターで何度かやり取りがあり、最終的には相互ブロックという結果に終わりました。

最後の眠り人は、魔王の城にて ~ダークスレイヤーの帰還~

終わった、とこちらでは思っていたのですが、きのう突然、堅洲(@kadas_blue)氏により、また新たなコメントが書き込まれました。

https://srpglove.hatenablog.com/entry/2020/06/07/165834 

堅洲

ラノベ天狗とか言われてるわりに、小説の現状を全然理解してなくて呆れます。

あと、誰かの作品をこんな風に貶めるって普通はやっちゃいけない事ですよ?自分は良いですが、気のとても弱い人は筆を折る可能性だってあります。

そういう可能性考えてこういう事してましたか?ラノベという文化を保護したい立場の人がしていい事じゃないですよね?

最後にもう一つだけ言いますが、こんな事してる暇があるなら、自分で『問答無用に面白いラノベ』をあなたが書けばいいんです。

それもせずに評論家気取りでかえってラノベへのヘイトを上げてるのは、申し訳ないですがどこから見ても賢い言動とは思えません。

(このコメントに対する返事は昨日ブログに書きました。)

これだけなら別にいいんですが、問題は、このコメントとほぼ同時に、だいたい似たような内容のマシュマロと引用RTが立て続けに届いたことです。

いずれも共通して、お前の活動はラノベ業界にとって有害、というような話をしています。

煽りコメントやマシュマロや引用RTをもらうことはさほど珍しくありませんが、直前に分かりやすいきっかけ(炎上ツイートなど)があったわけでもないのに、ここまで似通った内容がタイミングを合わせて届くのは、さすがに不自然です。

この時点でわたしは当然のように、この3つがお互いに「何らかの関係がある」ことを疑っていました。

とりあえず、引用RTに引用RT返しをしてみることに。

引用RTを送ってきたアカウント、鉄水@隠者
@blue_ash_blue)氏のホームを覗いてみたところ、この引用RTの前のツイートはひと月前、その前のツイートは半年前という状態でした。

病気か何かや気分の問題でツイッターから離れてた可能性もありますが、メインで使用しているアカウントとはちょっと考えにくいところです。

すると、鉄水@隠者
@blue_ash_blue)氏からリプライが。

唐突に記事だのインタビューだの言われて面食らいましたし、わたしはネットで初対面(?)の相手に二人称「君」を使う人間を深く憎んでいるため、かなりイラァッ……としましたが、手がかりをつかむため、ひとまずこの要求を受け入れることにしました。

この「インタビュー」は、質問も(自分で言うのもなんですが)回答もクソしょうもないので読む価値ゼロです。一応、全てのやり取りを記録しておいてはいますが。

いつまでもこんな茶番に付き合ってられないので、適当なところで本題に入りました。

時折はさまれる謎の事業計画匂わせにイラァッ……としつつ、頑張ってツッコんでみましたが、暖簾に腕押しという感じでした。

状況的にはどう見ても怪しいのですが、相手に徹底的にすっとぼけられれば、こちらに証拠と言えるほどのものは無いのもたしかです。

悔しい……ギギギギ……と歯ぎしりしながらその日は眠りについたのですが、翌朝起きると、天の助けとしか思えない、こんなマシュマロが届いていました。

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え、マジで……?

と思い確認してみると、マジでした。

(ビーチクリーンラジオというのは、鉄水@隠者
@blue_ash_blue)氏の投稿動画シリーズのようです)

「妻が握ってくれたおにぎり」みたいなディティールを含めて、ほぼほぼ同じ話です。マシュマロで言われているように、これでもし堅洲(@kadas_blue)氏と鉄水@隠者
@blue_ash_blue)氏が別人で、鉄水@隠者
@blue_ash_blue)氏の言うように関係者でもないのだとしたら、ノベプラに投稿された「私小説」の方は、堅洲(@kadas_blue)氏の盗作ということになってしまいますね。

ついでに、「ビーチクリーンラジオ」で検索したところ、こんなアカウントも見つけました。

アウトドア趣味のアカウントのようですが、このアカウントについては堅洲(@kadas_blue)氏がはっきり「外アカ」とツイートしていました。

この時点で、

堅洲(@kadas_blue)=Mr.コバルト@プライマル(@cobalt_hunter)=鉄水@隠者
@blue_ash_blue 

は1000%確定なのですが、そう認識した上で各アカウントのツイートを見ていくと、傍証がたくさん見つかりました。

そうと分かってしまえば、こちらの対応にも余裕が出てくるというものです。




続けようと思えば無限に続けられましたが、さすがに時間の無駄感が尋常でないのと、いい加減向こうのナチュラルなウエメセが耐え難くなってきたので、最終的な解決のためDMを送ることに。

そして送ったのがこちらのメッセージです。

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鉄水@隠者
@blue_ash_blue )=堅洲(@kadas_blue)氏からのお返事がこちら。

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……………………。

一つだけ言わせてください。





「引用」に許可は要らないって何回言ったら分かるの!*1


おわりに

ネットで工作する時には、以前から普段使いしてる別アカではなく捨てアカを利用するとか、書き込みのタイミングや内容を意識的にズラすとか、せめてそのぐらいの工夫はするのが、仕掛ける相手に対しての礼儀でもあるんじゃないかな、と思いました。

情報提供マシュマロの配慮を結局ムダにしてしまったことだけは心苦しいですが、あくまで「可能な限り」ということですし、一応わたしは向こうに対して最大限の譲歩をしたつもりです。それでも我慢が足りないというお叱りを受けるのであれば仕方ない。


*1:もちろんDMのような私信の類に関しては自由な引用はできないでしょうが、今回は公開の可能性を予め伝えてあるので、実質的に許可を得ているものとして扱っています。

「小説の現状」「『ライトノベル』『本格ファンタジー』とは」「誰かの作品を貶めること」 〜堅洲(kadas_blue)氏のコメントから考える〜

はじめに

3ヶ月ほど前にこのブログで、「本格ファンタジー」を自称するとあるなろう小説を例として、多くの文字書きがなぜか陥りがちな「自分の作風はラノベっぽくない」という思い込みについての文章を書きました。


最後の眠り人は、魔王の城にて ~ダークスレイヤーの帰還~

その後、「本格ファンタジー」なろう小説「最後の眠り人は、魔王の城にて ~ダークスレイヤーの帰還~」の作者である堅洲(カダス)(@kadas_blue)氏とツイッターで何度かやり取りして相互ブロックになるなどの出来事があったのですが、とりあえずこの件は終了したものとこちらでは考えていました。

それが今日になって、堅洲(@kadas_blue)氏からまた新たなコメントをいただいたのです。


https://srpglove.hatenablog.com/entry/2020/06/07/165834 

堅洲

ラノベ天狗とか言われてるわりに、小説の現状を全然理解してなくて呆れます。

分かりやすい文体や表現を使わないともう全くwebで小説なんて読まれない時代ですよ。

そもそも、ラノベ天狗の定義するラノベや本格ファンタジーって、思い込みレベルでガチガチですよね?

逆に聞きたいですが『ライトノベル』って何ですか?明確に定義できますか?

突っ込んだ箇所がズレてる上に重箱の隅つつくところまでも行ってなくて、やっぱりこの程度の知識ではラノベ天狗とか揶揄され、大して賛同を得られないのも仕方ないんだろうなと思いました。

あと、誰かの作品をこんな風に貶めるって普通はやっちゃいけない事ですよ?自分は良いですが、気のとても弱い人は筆を折る可能性だってあります。

そういう可能性考えてこういう事してましたか?ラノベという文化を保護したい立場の人がしていい事じゃないですよね?

それから、学習能力がないようなので改めて言いますが、発言の引用を許可しませんので消すように。

改善が見られない場合ははてなの運営に問い合わせますのでそのつもりで。

最後にもう一つだけ言いますが、こんな事してる暇があるなら、自分で『問答無用に面白いラノベ』をあなたが書けばいいんです。

それもせずに評論家気取りでかえってラノベへのヘイトを上げてるのは、申し訳ないですがどこから見ても賢い言動とは思えません。

身の丈に合わない事はしない方がいいと思います。

また、それと前後して、このような引用リツイート、マシュマロも立て続けに送られてきました。

これらが堅洲(@kadas_blue)氏と関係あるのかは今のところ不明です(引用RTのアカウントはツイート頻度を見るに誰かのサブアカっぽいしアカウント名の「blue」が堅洲氏と共通しているのは面白い偶然ですね)

そもそもコメント自体、堅洲(@kadas_blue)氏本人である確証もないのですが、いずれも内容が似通っていることですし、一番長いコメントへの回答で、まとめてお返事とさせていただきます。

「分かりやすい文体や表現を使わないともう全くwebで小説なんて読まれない時代ですよ。」

以前ツイッターでも申し上げたように、もし仮に「分かりやすい文体や表現を使わないともう全くwebで小説なんて読まれない時代」が事実だとして、それはあくまで書き手側の都合ですよね。WEBでの読者ウケを狙った結果、「(ラノベやなろうとは一線を画するような)本格ファンタジー」とは言い難い、ライトでポップな書き方や内容を自ら選択したのであれば、「(ラノベやなろうとは一線を画するような)本格ファンタジー」の看板を降ろすのが筋ではないでしょうか。

逆に、なぜ堅洲(@kadas_blue)氏が(ラノベやなろうとは一線を画するような)「本格ファンタジー」の肩書にこだわるのかの方が気になってしまいます。

ラノベ天狗の定義するラノベや本格ファンタジーって、思い込みレベルでガチガチですよね?」

たしかにあの記事内での「本格ファンタジー」はかなり狭い意味で使われていますが、それは堅洲(@kadas_blue)氏自身が、ラノベはもちろんそれ以外の小説カテゴリも含めて日本にはこれまでまともな「本格ファンタジー」が存在しなかった、というような非常に厳しい基準を持ち出していたので、それに合わせたまでです。

なお堅洲(@kadas_blue)氏は、日本ファンタジーノベル大賞などは「ファンタジー」ですらないというお考えのようですが、これも相当「ガチガチ」ではないでしょうか。

わたしは、『後宮小説』も『宇宙のみなもとの滝』も『バルタザールの遍歴』も『六番目の小夜子』も『東亰異聞』も、「ファンタジー」と呼んで問題ないだろうと思っています(『太陽の塔』はどうかな……)

後宮小説(新潮文庫)

後宮小説(新潮文庫)

宇宙のみなもとの滝

宇宙のみなもとの滝

バルタザールの遍歴 (角川文庫)

バルタザールの遍歴 (角川文庫)

六番目の小夜子(新潮文庫)

六番目の小夜子(新潮文庫)

東亰異聞 (新潮文庫)

東亰異聞 (新潮文庫)

太陽の塔(新潮文庫)

太陽の塔(新潮文庫)

ラノベ定義の方は……そんなに「ガチガチ」ですか?

たしかに、ライト文芸や女性向けレーベルも当然のように「ライトノベル」に含めてしまうid:kazenotori氏のようなラノベ帝国主義者BLACKなどと比較すると、わたしは保守的なラノベ定義の側にいます。

メディアワークス文庫の読者層は電撃文庫とは違うからライト文芸ラノベじゃない」みたいなやつですが、これなんて漫画に置き換えれば「ヤンジャンの読者層はジャンプとは違うから青年漫画は漫画じゃない」という話になるわけですよ。そんなおかしなこと誰も言わないでしょう。

しかし少なくともあの記事に関しては、ラノベ・なろうとは全然違う「本格ファンタジー」だと堅洲(@kadas_blue)氏が主張する「最後の眠り人は、魔王の城にて ~ダークスレイヤーの帰還~」を、いや、どちらかといえばラノベでしょと結論付けてるわけで、むしろ「ユルユル」だと思うんですが。「ラノベ」の範囲を広く取るという意味で。

「逆に聞きたいですが『ライトノベル』って何ですか?明確に定義できますか?」

ラノベを概念として明確に定義するのは難しいしわたしには無理ですが、それとは別に個別具体的な判断として、「明らかにラノベ(でしか出せそうにない)」とか「どう見ても一般文芸」といったラインは存在します。ライト文芸などの勃興によりラノベと一般文芸の境界線は更に曖昧になっていますが、確定的ラノベ・確定的一般文芸の領域はさほど変わっていない、というのがわたしの認識です。

前の記事の繰り返しになりますが、「最後の眠り人は、魔王の城にて ~ダークスレイヤーの帰還~」は、堅洲(@kadas_blue)氏の言うような明白な非ラノベではあり得ず、むしろラノベの側に大きく寄った作品だと思います。

逆に聞きたいのですが、堅洲(@kadas_blue)氏はラノベを明確に定義した上で、自作を「ラノベ」ではないと判断しているのですか。

「突っ込んだ箇所がズレてる上に重箱の隅つつくところまでも行ってなくて、」

あの記事でのツッコミどころが決定的にズレてるということはつまり、一般的なイメージそのまんまの「エルフ」その他メジャーなファンタジー存在を出したり、「よりどりみどりですなぁ~!」などマンガ的な台詞を多用したり、黒曜石の剣を「オブシダンソード」と表現したりといった部分は、(非ラノベ・非なろう的な)「本格ファンタジー」としての資質に、一切全く何ら影響を与えないということでしょうか。それなら、そもそも「分かりやすい文体や表現を使わないと(略)読まれない」などと言い訳をする必要もないのでは。

「誰かの作品をこんな風に貶めるって普通はやっちゃいけない事ですよ?」

はい。誰かの作品を貶めるのは一般的に良くないことだと思います。

でも、少なくともあの記事でわたしは、「最後の眠り人は、魔王の城にて ~ダークスレイヤーの帰還~」を、マックやカップラーメンやストロングゼロにたとえるようなことはしていないはずです。

堅洲(@kadas_blue)氏が、これらご自分のツイートには全く問題がなく、わたしの記事には自作を「貶められた」と考えているのであれば、その違いはどこにあるのでしょうか。特定の作品を対象にしているかどうかだけ?

また、堅洲(@kadas_blue)氏は、自由なレビュー活動も推奨していたはずですが、その立場との整合性についてはどう考えているのでしょうか。

「自分は良いですが、気のとても弱い人は筆を折る可能性だってあります。」

はい。自作を忌憚なく評価されただけでも、創作活動引退のきっかけとなることは十分あり得るでしょう。

でも、そういう「気のとても弱い人」はそもそも、他を貶めるような形で自作の価値を過剰に高く喧伝するような振る舞いは控えるべきではないでしょうか。大言壮語の自由はありますが(あるかな?)、実態がそれと大きくかけ離れていれば当然、普通におとなしく公開していた場合よりも厳しい目で見られるのは仕方ないことだと思います。

骨粗鬆症性の患者が自分でハードル上げて勝手に転倒して骨折するようなものですね。

ラノベという文化を保護したい立場の人がしていい事じゃないですよね?」

仮に。他のなろう小説をカップラーメン・マック・ストロングゼロに、自作をステーキ・本格ラーメンにしょっちゅうたとえて平然としてるような文字書きを放置しておくことが、結果的に「ラノベという文化」に良い影響をもたらすと、1000%確実に分かっていたとしても。それでもわたしはきっと、ツッコミの自由を行使する方を選びますね。

別に、KADOKAWA集英社小学館SBクリエイティブetcからお金もらって活動してるわけではないので(残念ながら)。「ラノベという文化」のために言いたいことをそこまで無理にガマンする義理はないです。

そしてもちろん現実では、本格ラーメン・ステーキ文字書きを放置することによるメリットは、いまだ確認されていません。幸か不幸か。

「学習能力がないようなので改めて言いますが、発言の引用を許可しませんので消すように。」

当方の学習能力の欠如については、生まれつきなものでいかんともしがたく、大変申し訳ありません。

ですが、以前ツイッターで申し上げたように、「引用」に許可は必要ありません。

出典を明記、もしくはリンクを貼り、本文との区別も明確である以上、前回同様に引用の形式として特に問題ないと思われるのですが、いかがでしょうか。

「改善が見られない場合ははてなの運営に問い合わせますのでそのつもりで。」

先でも後でも構いませんから、問い合わせの文面を公開してもらえませんか。どういう名目で通報するのか、興味があるので。

「こんな事してる暇があるなら、自分で『問答無用に面白いラノベ』をあなたが書けばいいんです。」

お言葉ですが、「ステーキ」「本格ラーメン」にたとえられるほどの傑作「最後の眠り人は、魔王の城にて ~ダークスレイヤーの帰還~」でも、なかなか正しく評価されないと嘆いていたのは堅洲(@kadas_blue)氏ですよね。だとしたら、本当に面白いラノベを書いたところで、今の世の中ではやはり有象無象の中に埋もれていくだけなのでは・・・(^_^;)

優れた作品が存在すればそのジャンルでの放言や嘲笑やマウンティングが消え去って、社会的な地位もぐんぐん向上するというのは、あまりに楽観的な考え方だと思います。仮定の話ですが、たとえば堅洲(@kadas_blue)氏の認めるような「本格ファンタジー」がラノベから出てきたところで、恐らく氏はそれをラノベの「例外」として処理するだけでしょう。

まあ、以前ツイッターで言ったように(またか!)、そもそもわたしには「問答無用に面白いラノベ」を書けるような能力はありませんが、単純にそれとこれとは別問題ではないでしょうか。

堅洲(@kadas_blue)氏も、

「自分にはまだできてない書籍化を続々と果たしてる『なろう系』をストロングゼロにたとえたり怨念エッセイ書いたりして溜飲を下げてる暇があったら、自分もさっさとダクスレで書籍化キメて長者番付にでも載ればいいのに(^_^)」

って言われれば、それはそれこれはこれだろ?!と思うんじゃないかな(違ったらすいません)

長文タイトルがなぜ嫌われがちなのか?そして、長文タイトルが続くとどのような不利益を被るかを、長文タイトルで分かりやすく説明するよ。

「それもせずに評論家気取りでかえってラノベへのヘイトを上げてるのは、申し訳ないですがどこから見ても賢い言動とは思えません。」

賢さが足りなくて申し訳ありません。

ただ、一つ付け加えておくと、わたしの活動によってラノベやなろうが嫌いになったと主張する人は稀によく現れますが、そうした人々は実際のところ、わたしが捕捉する以前から積極的にラノベ・なろうへのヘイトを表に出している場合が多い気がしますね。そもそも、だからこそこちらの目に留まったとも言えるわけで……

「身の丈に合わない事はしない方がいいと思います。」

全くもってその通りですね。お互いに気をつけましょう。

おわりに

以上です。

まだ何か言いたいことがあれば、またコメントでよろしくお願いします。

余談

堅洲(@kadas_blue)氏は頻繁に、自作のような非ラノベ・非なろう「本格ファンタジー」は日本ではずっと受け皿が無かったと嘆いていますが、創元ファンタジイ新人賞に送ることは考えなかったんでしょうか。

第一回優秀賞の『魔導の系譜』読みましたけど、良くも悪くも普通の異世界ファンタジーでしたよ。これなら少なくとも、ファンタジーノベル大賞の時みたいに「ファンタジーって言葉使うなや!」と言わずに済んだんじゃないですか。

まあ第五回で休止したから、その時点でまだ小説書き始めてなかったのかもしれないし、「最後の眠り人は、魔王の城にて ~ダークスレイヤーの帰還~」がどういう評価を受けるかについても何とも言えないけど。


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(続き)