「幻想再帰のアリュージョニスト」というなろう小説があります。
作者は「最近」(これがペンネーム)。別作品で既に商業デビューも果たしている実力派作家です。

アリス・イン・カレイドスピア 1 (星海社FICTIONS)
- 作者: 最近,あずき
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/07/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この「アリュージョニスト」自体は書籍化されていませんが、異世界転生俺TUEEEハーレムをベースにしながらも複雑で奥深く味わいのある物語と設定とキャラクターが若い世代にバカウケして、カルト的な人気を誇る作品となっています。現在のデータ(パラメータ)はこんな感じです。
- 文字数 3,598,160文字
- ブックマーク 11,667件
- 総合評価 26,539pt
- 累計PV 6,686,920
とりあえず結論を言います。
助けてください。
わたしを、「アリュージョニスト」から救ってください。
そもそもの発端は、3年ちょっと前のこと。当時のわたしはアリュージョニストを読んではいたものの、あまり熱心な読者ではなく、更新をリアルタイムで追いかけるほどではありませんでした。そんなある日、公開された最新話を読んだらしいアリュージョニスト読者たちの様子が……どうも妙だったことがありました。含み笑いをしているような雰囲気、とでも言いましょうか。軽い不気味さを感じたものの、その時は、変なこともあるものだと首をかしげたぐらいで、すぐに忘れてしまいました。
が、少し後になって実際にその回を読んだ時、わたしは困惑することになります。これ、もしかして、わたしと何らかの関係があるのでは……?と疑ってしまうような新キャラが登場していたからです。その名は「天狗」。
第4章 傷つけるのはハートだけ、口づけるのは頬にだけ 4-35 オルヴァ王と十二人のシナモリアキラ2
――認可自警団『夜警団』の名簿検索・・・・・・顔認識実行。該当一名。眷属種第三位、白樺の民と断定。高レベルの幻翼を確認、脅威度は中。備考:汚染された自律思考体の存在を多数確認。優先的な対処を要する。現在ランキング六位。対象識別コード『天狗てんぐ』の追跡調査を継続する。
なぜ「天狗」という単なる普通名詞がわたしと結びつくのか。
今となってはお恥ずかしい話ですが、ある時期わたしはネット上で「ラノベ天狗」という肩書で活動していました。オリジナルでは全然なく、元ネタはTwitter連載のweb小説「ニンジャスレイヤー」のキャラクター「ヤクザ天狗」ですし、「ラノベ天狗」自体も他人が揶揄として使っていたのを敢えて拝借した(パクった)ものです。

- 作者: ブラッドレー・ボンド+フィリップ・N・モーゼズ,わらいなく
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/03/01
- メディア: Kindle版
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「ラノベ天狗」の主な活動は、「最近のラノベ」について蔑視と偏見に基づいたいい加減な発言、即ち「雑語り」を見つけた時に、RTやブックマークをしておくこと。たったそれだけの他愛のないものです。なので、あまり仰々しい名乗りをするようなもんじゃないな……とすぐに思い直す(後悔する)羽目になりました。アリュージョニストの当該話数が公開されたあたりが、ちょうど「ラノベ天狗」の名前を使わなくなったかどうかという時期だったと思います。
「ラノベ天狗」への評価、というか批判としてよく言われていたのが、「自警団気取り」「人の話を聞かない」「独りよがり」といったものです。これらがどの程度実情に即しているのかはさておき(自分ではなんとも言えない)、アリュージョニストにおける「天狗」の描写は、そうした敵対者による否定的な見方も含めた「ラノベ天狗」と共通する部分がいくつか存在します。
侮蔑を隠そうともしない殺人鬼だが、眼鏡の男はそうした態度には一切構わずに好き勝手にしゃべり始めた。そもそも相手を見ていない。彼は眼鏡の内側に映し出されたシナモリアキラのこれまでの戦いの記録動画を視聴しているのだった。
「サイバーカラテの理念、深く感動したよ。俺はシナモリアキラには詳しいんだ。何でも知ってる。だから俺がシナモリアキラだと言っても過言じゃない」
聞かれてもいないことを一方的に捲し立てる。根本的に他者との会話に向かず、言葉を並べることでしか自己主張ができない。殺人鬼が容姿から推測して貼ったレッテルは図らずも的確なものだった。
「雑にサイバーカラテを語るな。お前のような不適切なシナモリアキラを取り締まるのが俺の使命――そう、俺はシナモリアキラ警察。第五階層の秩序を守護する、正義の夜警ナハトヴェヒター――全ての暴力は俺が独占・管理する!」
「天狗」という名前*1だけ、もしくは「雑語り」を(勝手に)取り締まるひとり自警団という設定だけ、そのいずれかであれば、わたしも多少の違和感を覚えたぐらいで済んだでしょう。しかし、その両方とあっては……。アリュージョニスト読者の中でわたしを知る人々が、妙にざわついていたのも納得です。
自分の中ではほぼ確信に近い印象だったものの、決定的な証拠と言えるほどのものはありません。そのためわたしはこの点について、Twitterやブログでそれとなく指摘するに留めました。ちなみに、リプライ等でのやり取りこそ無かったものの、作者の「最近」氏は当時からTwitterでわたしのことをフォローしてくれています(フォロワー様は神様です!)。もしも意図せずたまたま偶然わたしとキャラ設定がかぶってしまっただけなら、記事やツイートを見て軽く説明でもしてくれるかも……と期待した姑息なやり方ですね(苦笑)
結局、「最近」氏からの反応は一切ありませんでした。
それ自体は、単にツイートを見逃しただけかもしれませんし、なんならフォローだけしつつ実際はミュートしていた可能性もあります(それはそれでツラいな……(T_T))。しかし、どうしてもこの「天狗」の一件が、小さいながらも無視できない引っかかりとなり、わたしは結局それ以来アリュージョニストを読むこと自体をやめてしまいました。
モヤモヤは残るものの、ともかくそれで終わった話。この間までは思っていたのですが。
つい先日、このようなブログがはてなで公開されました。
アリュージョニスト作中の倫理観に関する違和感を表明する記事です。わたしとは全く違う理由ですが、執筆者の方もアリュージョニストを読むのをやめてしまったようです。
「そもそも倫理的ではない作品の非倫理性」を楽しむことができればよかったのだが、ぼくの観測範囲で「倫理!」と持ち上げる向きがあり、どうもそれも難しく、いろいろ悩んだ末、結局読むのを止めてしまった。どうでもいいですね。インターネット止めるべき。おしまい。
この記事もアリュージョニスト読者から「お気持ちブログ」などとバッシングされてたいへん可哀想なのですが(ブログ名まで「お気持ち日記」にしてしまった)、それはさておき。
わたしは、この記事に触発されてつい、こんなツイートをしてしまいました。
アリュージョニスト、気に食わない人間を無断で作中に登場させて揶揄するような作品なので、もともと「倫理」からは外れてますよ(これは擁護ではなく批判です)
— 佐藤葵@みんなをディフレクト (@srpglove) October 27, 2019
ほんの思い出ばなし程度のつもりだったのですが、どうもこれがアリュージョニスト読者の逆鱗に触れてしまったようなのです。
特定の何かを賛美したり啓蒙する作品じゃなくて、同じものに複数の角度から言及して自分の頭で考えさせる作品ですからね。
— 物資補充要員 (@JTK_alcoholic) October 27, 2019
あと「個人批判だ!」はいくら何でも筋が悪ィよ。証拠提示できんのか。
天狗の件、インチキ占い師に引っかかりそうだと思った。
— イクリプス (@eclipse6147) October 27, 2019
誰でも当てはまる(当てはまってしまう)事を言われて、
「これ私の事だ」
ってなるのはまさしく占い師の手口。
「誰でも」を「○○警察やってた人なら」に置き換えれば完了。
端的に感想を言うと、
— イクリプス (@eclipse6147) October 27, 2019
自意識過剰ですよ。このキャラは所謂○○警察、○○天狗の活動を露悪的に抜き出して表現しているだけで(作中ではその様相から紀人だと判明)、そういう方なら誰でも当てはまる事をしているに過ぎません。
でもまあもしかしたら貴方がモデルかもしれないから問い合わせたら?
以上
渦中の人は沈黙が正解のところをわざわざ燃やしに行っているようにしか見えない
— けけけけ (@kkkk_eldersign) October 28, 2019
ラノベなんたらっていう名称好きだったんですかね、天狗が出てきたら自分と同一視するぐらいに
そういう意味ではJTKさんのアイコンとか定期的に変えるのもありなのかなと思えたり
ア騒動でラノベ天狗の本体を始めて目視したけど典型的邪視者……というか子鬼
— 目ノ雲 (@menokumo) October 27, 2019
天狗なのに子鬼なのわかんねえなと思いきやそもそもゼオーティアでは『天狗になる』と同義で『子鬼になる』が使われてるのだよな
アリュージョニストが好きな小説なのはさっぴいても、あまりにも筋の悪い言いがかりじゃないかなぁ。
— kimroma (@dance9macabre) October 28, 2019
概ね、被害妄想・自意識過剰といった決めつけが大半で、それに「紀人」「邪視」といった作中の用語をトッピングしたツイートなども見られました。中には表面上は丁寧な言葉で近づいて来る人もいましたが、その意図は結局のところ、アリュージョニスト無謬説の立場からこちらの「誤解」を正そうとするものでしかありません。四面楚歌とはこのことですよ(;´д`)トホホ…
アリュージョニストの読者とはいえ、当時の状況すらよく知らないらしい人も含めて言いたい放題言われっぱなしというのは、やはり悔しいものです。「問い合わせてみたら?」という声もあったことですし、せっかくなので数年来の疑問を解決するために、作者の「最近」氏に直接リプライで質問してみることにしました。
.@homiya はじめましてff外から失礼します。https://t.co/hawQLhIJCo
— 佐藤葵@みんなをディフレクト (@srpglove) October 27, 2019
こちらの「幻想再帰のアリュージョニスト」4-35に登場する「天狗」というキャラについて、もしかしてわたしと何らかの関係があるのでは?という疑念を表明したところ、読者の方から、お前の妄想だ!といった反応をいただきました。 pic.twitter.com/ztHHNl9T3f
.@homiya 物語は読者自身が自由に解釈するべきものという大前提は重々承知の上でたいへん野暮な質問をさせていただきますが、あの「天狗」のキャラクター造形は、 @JTK_alcoholic 氏の言うようにわたしとはあらゆる意味で何の関係もないと言い切れるものなのでしょうか?お答えいただければ幸いです。 pic.twitter.com/V6dCYIp38C
— 佐藤葵@みんなをディフレクト (@srpglove) October 27, 2019
特定個人としての@srpglove さんを名指しで誹謗中傷するという意図はありません。あのキャラクターについては、いわゆる『○○天狗』『ネット自警団』『○○警察』『ソーシャルジャスティスウォーリアー』などの属性全般を参照したもの、ということになります。
— 最近 (@homiya) October 27, 2019
ですので、個人攻撃の意図はありませんが、@srpglove さんの通称であるところの『ラノベ天狗』をはじめとした『○○天狗』や『○○警察』などの正義感に基づいた行動の実践者含む属性全体への言及は行っています。
— 最近 (@homiya) October 27, 2019
.@homiya https://t.co/8K4rR7mqxf
— 佐藤葵@みんなをディフレクト (@srpglove) October 27, 2019
なるほど。わたし一人を名指ししたものではないがそこに含まれてはいる、ということでよろしいでしょうか。
そうなります。属性や個人的信条に基づいた行為に対する参照であり、特定個人を示しているわけではありません。
— 最近 (@homiya) October 27, 2019
.@homiya ネット自警団的な活動として、当時は(今も)「○○天狗」という肩書はあまりポピュラーではなく、有名なものは元ネタである忍殺の「ヤクザ天狗」ぐらいだったと思いますが、そういう状況であの「天狗」を登場させた時に読者がわたしを連想することは、全く予想していなかったのでしょうか。
— 佐藤葵@みんなをディフレクト (@srpglove) October 27, 2019
あのシーンで書きたかったのは戯画化された『自警団』という要素であり、それに対しての否定的な意図もありません。個人的正義感の発露とその実践はどこであろうと当然に発生しうるものだからです。
— 最近 (@homiya) October 27, 2019
.@homiya
— 佐藤葵@みんなをディフレクト (@srpglove) October 27, 2019
「聞かれてもいないことを一方的に捲し立てる。根本的に他者との会話に向かず、言葉を並べることでしか自己主張ができない。」
こういった記述に否定的な意図が全く無いということがあり得るのでしょうか。https://t.co/Pw2HpH5DGh pic.twitter.com/rXnl56mShZ
.@homiya ネット自警団的な活動として、当時は(今も)「○○天狗」という肩書はあまりポピュラーではなく、有名なものは元ネタである忍殺の「ヤクザ天狗」ぐらいだったと思いますが、そういう状況であの「天狗」を登場させた時に読者がわたしを連想することは、全く予想していなかったのでしょうか。
— 佐藤葵@みんなをディフレクト (@srpglove) October 27, 2019
@srpglove さんとは異なる人格、主義主張を持ったキャラクターとして描写したつもりです。「聞かれてもいないことを~」など戯画化された描写は別個の人格であることを示すと共に、露悪的に誇張することで属性全般への『雑語り』を行ったつもりです。
— 最近 (@homiya) October 27, 2019
.@homiya https://t.co/zZLaib5FdH
— 佐藤葵@みんなをディフレクト (@srpglove) October 27, 2019
「露悪的に誇張することで属性全般への『雑語り』を行ったつもりです。」
そこでネット自警団雑語りをすることの意義がちょっとよく分かりませんが、そちらの主張はだいたい把握しました。納得はしていませんが、後は運営の判断に任せましょう。
う〜〜〜〜ん?勢いでつい、「だいたい把握しました」と言ってしまったものの……?
悪意は無い、わたし個人ではなくあくまで「属性」「概念」を参照したもの(だから問題ない)、という主張のようですが、果たしてどうなんでしょうか。こちらが本当に聞きたい「わたしとはあらゆる意味で何の関係もないと言い切れるものなのでしょうか?」という問いについては、曖昧にはぐらかされてしまった感もあります。
丸々天狗自体ラノベ以外見ない気が
— kanou (@kanou1) October 27, 2019
天狗、ラノベしか知らないしさすがにそんなつもりはなかったは不誠実というかリアルにあるものを素材にする際の意識として欠けてると言わざるおえなくない?
— kanou (@kanou1) October 27, 2019
「正義を旗印にしている点が違う」という点をもって個人を揶揄してるのではないっつうの、やっぱここ意味わかんなくなるな?????????????https://t.co/xC7WFbqMnN
— ヾ(zxcv)ノ (@zxcvdayo) October 27, 2019
そして、総体が特定個人要素の集合ではなく、一般化された傾向のようなものを指そうとしていた場合、「雑な○○語り」みたいな個人を連想させるネタを入れ込んでその個人に批判されたのは、総体への言及として失敗しているのでは?と思いましたhttps://t.co/CRjBLCZUQ5
— ヾ(zxcv)ノ (@zxcvdayo) October 27, 2019
紀人が多数の具体的個人をネタにしてたら、そのそれぞれから怒られるのでは?
— ヾ(zxcv)ノ (@zxcvdayo) October 27, 2019
具体的言及がその人のみだったら、その人に怒られても言い訳効かないのでは?
ラノベ天狗のあだ名がニンジャスレイヤーのヤクザ天狗から来てることは知ってるんだけど、「○○天狗」で通じるぐらい一般化した言葉なんだっけ。ラノベ天狗さん以外に天狗って呼ばれ続けてる人あんまいないと思うんだけど…
— 赤木真紅朗 (@shin_akagi) October 28, 2019
そこで、わたしというか「ラノベ天狗」を以前からご存知の方々に一つお願いがあります。「アリュージョニスト」の当該話数を読んで、「チェック」をしてみてもらえないでしょうか。アリュージョニストの「文脈」に染まっていない人間があの話を読んで、そこに登場する「天狗」というキャラが、このわたし、srpglove、the account formerly known as “ラノベ天狗”の存在とは一切まったく完全に1ミリの隙もなく無関係なところで造形されたものと思えるかどうか、その検証をしてほしいのです。
第4章 傷つけるのはハートだけ、口づけるのは頬にだけ 4-35 オルヴァ王と十二人のシナモリアキラ2
(アリュージョニストは一話が長く、この回で「天狗」の登場するシーンは他のキャラ紹介に紛れて一つあるだけなので、ページ内検索で「天狗」を見つけてそこから遡るのが効率的かもしれません)
前提となる、ほぼ確実に断言できる事実をいくつか挙げておきます。
- 作者の「最近」氏は当時からわたしのフォロワー
- 「ラノベ天狗」のことも当然知っている
- 当時、「○○天狗」の名前で(ネット)自警団的な活動を行っていたのは、元ネタであり架空の存在であるヤクザ天狗を除けばわたしぐらいだった
- ヤクザ天狗派生の○○天狗というアカウント名は複数あったようだが、自警団活動はしていない
- ヤクザ天狗自体は「雑語り」狩りとは無関係
結果の方は、この記事のコメント欄やブコメやツイッターでのリプライなど、わたしの目につくところであればどこでもご自由に書き込んでください。
よりによって少し前に「ゆるパク騒動」なんてものが起こったばかりのタイミングなので、ロクに確かめもせずこれもその類いのイチャモンだろうと片付けられても、正直しかたないかなとは思っています。それでも、もしも検証に協力してくれる方が一人でもいるなら、それだけでわたしは救われて、明日もなんとか生きていくことができそうです。
どうか皆さん、よろしくお願いしますm(_ _)m

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