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やはり「盗用」から頑なに目をそらす「ミステリと言う勿れ」擁護者

「ミステリと言う勿れ」擁護者 id:hokke-ookami氏のコメントへの回答

ドラマ化も決定している大人気マンガ、田村由美「ミステリと言う勿れ」がとあるツイッター小説を「盗用」したと思しき件について、なぜか「盗用」を認めようとしない奇妙な反応を見せる「勿れ」読者たちに対し、問題点を細かく噛み砕いて説明するエントリを書きました。

前回のこのエントリに、「ミステリと言う勿れ」読者であるらしい、 id:hokke-ookami 氏からのコメントが付きました。

長くて複数の論点が含まれているので、ひと息に引用することはせず一つずつ返答していきます。

まず、意図がどうであれ、貴方は過去に他人と論争したブログエントリを全て消していますね。他人へ応答責任を求められても、逆に貴方が誠実な対応をするとは信頼しづらいです。

「他人へ応答責任を求められても」とは何の話ですか。そちらを含めて、「ミステリと言う勿れ」擁護ブコメを付けたり擁護記事を書いたりしたアカウントのid一覧を載せたことでしょうか。idコールは送られたでしょうが、それらのアカウントに「応答」を要求する要素は、元記事に特に含まれていなかったはずです。もし「誠実な対応をするとは信頼しづらい」のであれば、こちらの記事にコメントを付けるような積極的なコンタクトを無理になさらなくてもけっこうです。

また、idコール自体が「応答責任を求め」るものなのだとしたら、それを最初に行なったのは、後述する id:hokke-ookami 氏の記事の方ということになります。

はてなブログは1アカウントで3つのブログを無料で利用できますから、もう少し違うブログの運営ができるのではありませんか?

自分のブログの運営方針をとやかく言われる筋合いはありません。今は、「エントリごとに内容に合ったブログタイトルに変更する」というやり方を試しています。

来月末に3周年イベントがあるので、その時には対魔忍RPGブログに戻すと思います。

このエントリに引用されている私のエントリのコメント欄から、すでに貴方へ回答した2回のコメント部分を転載します。
どちらもIDコールで通知がいっているはずですし、ひとつは貴方がエントリを書くより前に、もうひとつは貴方がエントリへIDコールを記載する前に書きこみました。
貴方はこれらの回答を読めているはずです。それでこのエントリを書いたのであれば貴方の態度が不誠実きわまりないと思わざるをえません。
それでは、まず貴方が自身への問いに対して、「速やかな反省および撤回」もしくは「覚悟」を決めることができますか?

id:hokke-ookami 氏からのidコールは、最近では氏の記事(「『ミステリと言う勿れ』のそもそも正確性を担保していない発言に、正確性がないと批判するのは奇妙 - 法華狼の日記」)が最初に書かれた際の一度しか届いていません。







はてなの仕様が具体的にどうなっているのか知りませんが恐らく、コメント内からはidコールを送れないか、既に対象アカウントへのidコールが含まれているエントリに同一アカウントへのコールを追記したり間隔が近すぎたりすると、改めてidコールが送られることはないのではないでしょうか。あるいは、元々のコール通知が上書きされたが前に見たのと同じコールだと思って気づかなかったか。

また、もし仮にidコールを目にしていたとしても、それに反応する義務があるとする規範が一般的とは思えません。実際、前回のわたしの記事によるidコールに反応した「ミステリと言う勿れ」擁護論者の方はごくわずかでしたし、それで何の問題もないでしょう。直接的に相手との対話を望むのであれば、ツイッターを使う方が適切では(それでもリプライやDMを無視したりミュート・ブロックしたりする自由も普通にあるでしょうが)

いずれにしても、 id:hokke-ookami 氏のそれらのコメントはいま初めて読みました。

ネットでちらっと見たと書かれた台詞から、ツイッターの創作小説と作者が認識していたと断言できますか?

もし仮に、「ミステリと言う勿れ」の当該シーンを描く際に、元ネタが小説=「作者の存在する明確なフィクション」であるという認識が無かったとして、故意から過失にはなるでしょうが、責任が作者にあるのは変わらないでしょう。「盗用」の問題は依然として存在するはずです。

一般的に、都市伝説とされるものにも、フィクションと思われる元ネタが存在する場合があります。大江健三郎『死者の奢り』が、死体を洗うアルバイトの元ネタという説などが有名ですね。
そうして情報源が不明確な記憶にもとづいて貴方がツイートした時、その情報源がフィクションだった場合、情報源が他にあると最初から明言していても貴方は自分が盗用したと思いますか?
あいまいな記憶で何かを主張した問題と、盗用したという問題は違うのではありませんか?

今回のケースでは、自分の作品(マンガ)の中で他人の作品(ツイノベ)の内容を、元ネタのフィニッシングストロークがそのままフィニッシングストロークとして機能するほどに、ほぼ頭から尻尾まで流用していることこそが「盗用」と呼ばれています。果たしてこれを、小説の内容(の一部)を元にした都市伝説をツイートする行為と同一視できるのでしょうか。ツイノベ以外の一般ツイートも「作品」として扱うべきという立場であれば、その見方も成立するのかもしれません。

そもそも、元のツイッター小説の内容を、現実の「実験」や、あるいは逆に詠み人知らずのフリー素材的な小噺であると誤認させるような形での流用が、「ミステリと言う勿れ」以前に(どれほど)存在したのかが今のところ特に確認されていない以上、その方向性での擁護は意味が無いと思われます。どうしてもその論点で擁護したいのであれば、まずは最低限「勿れ」以前の流用の具体例を発見してからにするべきでしょう。

あらかじめ釘を刺しておきますが、当時の状況が確認ができてないから擁護に意味が無いとするなら盗用批判も無効だ、といった話は通りません。大元は作者のはっきりした小説作品であるという事実の方は既にほぼ確定している以上、そこは非対称です。

「元が明確にフィクション」という認識は確定していないと上記のように考えます。

繰り返しますが、作者の認識は責任を多少軽減こそすれ本質的には関係ありません。元のツイッター小説には「twnovel」タグがしっかり付いていたのだし、これは「知らなかった」では済まされない種類の問題だと思います。

たとえば、ホームページか何かを作るとします。ネットで拾ったフリー素材のみを使って仕上げたつもりが、実はその中にフリー宣言をしていない写真が混じっていたことが後で判明したとしたらどうでしょう。それでも、知らずにやったことなのだから何の問題もないと堂々と言うべきでしょうか。

また、id:hokke-ookami 氏はエントリ「『ミステリと言う勿れ』のそもそも正確性を担保していない発言に、正確性がないと批判するのは奇妙 - 法華狼の日記」において、フォローしていないアカウントのツイートをRTする場合でも、当該ツイートと直接の関係が無い過去ツイートの内容にも責任を持つべきだ、といったような主張を、わたしへのidコールを付けた上で行っています。

そうして騒動は収束しているようだと思っていたら、「まつうら姫@lyricalium」氏らの新しい批判をid:srpglove氏がリツイートしているのが目に止まった。

もっとも、下記のように「慰安婦問題、フェミニズムの負の側面が生んだもの」という認識*2を公言する人物なので、『テコンダー朴』との相対評価に驚きはない。

それにしても、「まつうら姫@lyricalium」氏の批判のいくつかをsrpglove氏が無批判にリツイートしていることが奇妙だ。

もちろん、ひとつふたつのリツイートやフォローが対象の人物全体を許容しているとはかぎらない*4。
しかし、情報源の明確ではない情報をフィクションの登場人物に語らせることを批判したいならば、こうしたリツイートを現実におこなう時の慎重さも必要だろう。

これはあくまで「盗用」批判への皮肉として言い出したことに過ぎないのかもしれませんが、

「商業誌で展開しているマンガ作品において他者の作品内容全体を無断で流用すべきでない」

と、

「当該ツイートの内容と直接関係がないRT先の過去ツイの内容にも責任を持つべき」

では、明らかに後者の方が遥かに過大な要求であり、釣り合いが取れていません。

(ある興味深い情報の大体の出処を確認するにはネット検索だけでも大抵はどうにかなるし、確認できなかった情報は作品に使わなければ済む。一方、RTのたびにRT先アカウントの全発言を把握するのはどう考えても非現実的)

どっちもどっちに持ち込んで、「ミステリと言う勿れ」側のクリエイターとしての責任をうやむやにしようとしたのかもしれませんが、やはり無理があります。

(ついでに言うと、RT先の過去ツイにも責任を取らなければいけないという極めて厳しい基準を仮に導入した場合、現在進行系の社会問題に積極的にコミットするような層の方がよっぽど困るんじゃないかな、という気もします。なんとなく)

その上で、「前にネットでチラッと見た記事で、だから詳細はわからないんですが」と断った文章を見て、信頼性を担保した文章だと思いますか?
貴方は自身の同種の断り書きをしているツイートも、一次資料などに直接あたったツイートと同じように信頼されるべきだと思いますか?
念のため、情報源が明確でないがゆえに過誤があった時の責任を自身で背負わなければならない場合などはあります。しかし、やはり違う問題ですよ。

「前にネットでチラッと見た記事で、だから詳細はわからないんですが」で情報の信頼性の低さを断っていると言えるのは、たとえば東スポやねとらぼやカラパイアといった、ソースが怪しげだとしても少なくとも「『事実について語っている』という体」を取っているメディアの記事を参照したような場合でしょう。元が、フィクションであることを明示したツイッター小説のストーリーそのものである今回のケースには当てはまりませんし、不十分です。




id:srpgloveさんへ
https://twitter.com/srpglove/status/1428409915626774535
>もしかして、世の中ではツイッター小説など小説ではないという認識が一般的なのか。

わざわざ都市伝説の元ネタになった事例として『死者の奢り』をあげているコメントに対してその返答ならば、貴方の読解力を根本的に疑いますよ。
逆に返信を確認せずにツイートしているなら、ググる(※)までもないひと手間すらおこたったのであれば、それこそ貴方の問題であり貴方の責任ですよ。

このツイートは、ブコメツイッター検索で「ミステリと言う勿れ」擁護者たちの、こんなのぜんぜん何の問題もないといった反応を眺めていて出てきた一般論的な感想です。これをなぜ id:hokke-ookami 氏個人への返答だと思い込んだのでしょうか。繰り返しますが、この時点では氏のエントリに書き込まれたコメントは読んでいません。

「ミステリと言う勿れ」擁護という大きな謎

一連のコメントを見ると、とにかく「ミステリと言う勿れ」の「盗用」疑惑を何があろうと絶対に全面的に否認したい、否認しなければならないという意思が強く伝わってきます。これは id:hokke-ookami 氏に限らず、他の多くの「勿れ」擁護者たちも同様です。

たしかに「盗用」ではあるかもしれないが(きっと)悪意は無かったのだからそんなに強く責める必要はない、といった比較的穏当な擁護であれば、全面的に同意はできないものの一定の理解はできますが、そのような意見は稀でした。彼らはこの問題を徹底的に矮小化、というより問題の存在自体を全否定する態度を貫いています。

この不可解なほど意固地な否認の背景には、一体なにがあるのでしょうか。前記事で指摘したように、元ネタである「ツイッター小説」という色んな意味で小さな文化の(無自覚な)軽視が影響しているのは間違いありません。しかしここまで来ると、それだけでは説明がつかないような気もしてきました。

今回の件によく似た事例の一つとして、スマホアプリ「Fate/Grand Order」の剽窃問題がありました。あるキャラクターの説明文に、既存の著作からの「流用」が見つかった、というものです。

https://togetter.com/li/1501534

自分はFGOをプレイしていないのであくまで外から眺めていただけですが、この時には、FGOプレイヤーの中でも「これはさすがにダメだろう」といった声がそれなりの大きさを持っていた印象があります。そのため、プレイヤー同士でもこの件についての議論(というか衝突)がそこかしこで起こっていたように記憶しています。

結果として、FGO公式は「意図せず流用が発生した」ことを認めて謝罪し、当該テキストを修正することとなったようです。


このたび、2020年4月9日(木)より召喚に追加されましたサーヴァント、
「ディオスクロイ」のフレーバーテキストにおいて、書籍『ホメーロスの諸神讚歌』
沓掛良彦様 訳、筑摩書房様 刊行 ちくま学芸文庫)から一部流用がありましたことを確認いたしました。
フレーバーテキストについては数名の協力体制で制作を行っている工程があり、
その際の伝達漏れから意図せず流用が発生したものとなります。
該当部分に関しましては、5月13日(水) 16:30の更新で修正しましたことをご報告いたします。

FGOを含めたスマホゲームは、素朴で熱狂的な支持と同時に、愛憎入り混じった複雑な感情も育てやすいコンテンツです(※個人の感想です)。FGO剽窃に対してプレイヤー層内部で適切な自浄作用が働いたのは、スマホゲーの持つその性質による怪我の功名に過ぎないのかもしれません。

しかしそれを差し引いても、多数の読者が絶対的な擁護に傾いている(一応「盗用」を問題視している読者もいる)「ミステリと言う勿れ」の現状は、やはり不気味にすら感じられます。単純に、FGOプレイヤーの方が「ミステリと言う勿れ」読者よりも民度が高かったのだ、とでも割り切ってしまえれば楽なんでしょうが。

彼ら「ミステリと言う勿れ」擁護者を、何がここまで頑なにしているのか。その謎を解くのは、名探偵ならぬ凡人の身には難しそうです。